QAエンジニアの導入事例
フリュー株式会社 様

事例概要


課題
  • 新規サービスの品質管理に課題があり、 テストや品質保証を担うQAチームを立ち上げたい
  • ビジネスサイドと開発サイド双方と連携して QAのしくみをつくり、テスト自動化も推進してほしい

効果
  • スキル要件のマッチングに加え、主体性やコミュニケーション力の高い QAエンジニアを迎え入れ、品質の安定化を実現
  • 企画担当が兼務していたテスト業務を巻き取ることができ、 企画担当は本来業務に専念できるようになった
  • QAエンジニアの人員を増やし、QAチームを編成。 テスト自動化に向けた仕組みづくりも推進中
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QAエンジニアの参画によって 新規サービスが軌道に乗り
企画・開発の方向性が揃った

10~20代の女性から支持され、ガールズカルチャーの中心にあるプリントシール機 (以下、プリ機)。
その企画・開発・販売を手がけるフリューは、国内約約93%(*1)という圧倒的なシェアを誇り、長年に渡って“プリ文化”の発展に貢献しています。そうした同社の成長をけん引しているのが、有料会員147万人(*2)を誇る画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」です。

スクラム開発によって若年層のニーズを細やかに具現化する同サービスの商品技術開発部では、ラクスパートナーズのQAエンジニア・間宮さんが参画しています。今回、渋谷にあるフリュー本社を訪れ、商品技術開発部の部長・盛岡さんとラクスパートナーズの間宮さんにお話を伺いました。

インタビューに答えてくれたお二人

圧倒的シェアを誇るプリ機メーカーのコア事業

――まずはフリューの成り立ちや強みについて教えてください。
インタビューに答えてくれる盛岡さん1

盛岡さん: フリューの前身は、実はオムロン株式会社内で1997年に新規事業として開始したエンタテインメント分野から生まれました。
1998年に当時大ブームを巻き起こしていたプリ機事業へ参入し、その後2003年にオムロン100%子会社のオムロンエンタテインメント株式会社を設立、2007年にマネジメントバイアウトによってフリュー株式会社として独立しました。

フリューは、企業理念「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」を掲げ、プリントシール事業を起点とし主に若年女性に向けて商品サービスを提供するガールズトレンドビジネスと、キャラクター等の版権取得力を活かしてアミューズメント景品やホビーEC・ゲーム・アニメを手掛ける世界観ビジネスを強みに、エンタテインメント事業を幅広く展開しています。

――プリ機市場で圧倒的なシェアを誇る理由は何なのでしょうか。

盛岡さん: 元々オムロンを母体としていましたので、ハードウェア技術に強く、加えてメインユーザーの10代・20女性の声に耳を傾け、若年層マーケットにフィットする商品・サービスをつくり続けてきたことが挙げられます。もちろん、その前提として、プリントシールの可能性を信じ、粘り強くやり続けてきたことも、現在の圧倒的なシェアにつながっています。

――デバイスの多様化に応じて進化を遂げ、なかでも若年層ユーザーをとらえたのが 「ピクトリンク」なのですね。改めて、どのようなサービスなのでしょうか。

盛岡さん: フリューのプリ機で撮影した画像をデータとして取得・閲覧できるサービスです。前身となるサービス「楽プリショット」の開始は2003年 。
若い方々はご存じないと思いますが、当時はカメラ付き携帯電話が流行していたタイミングで、プリ画も携帯電話に取り込むことができれば自由にメールでシェアされ、利用範囲がさらに広がっていくだろうと。そこからスマートフォンが普及していく流れにあわせ、サービス内容を柔軟にバージョンアップしながら現在に至ります。

現在はWeb版とアプリ版で運営し、無料会員の場合は撮影した画像の中から1枚を保存、有料会員の場合は全ての画像を保存できます。有料会員は現在147万人(*2) に達し、月間のユニークユーザーも大規模なものになっています。

スクラム開発によってユーザーニーズをスピーディに具現化

――現在はどのような開発体制で取り組まれていますか?

盛岡さん: ピクトリンク事業は開発部全体としては50名ほどの組織で、フロントエンド、バックエンド、モバイルアプリの各エンジニアが3つのチームを組み、それぞれがアジャイル型のスクラム開発を行っています。

当社の強みの一つとして、 企画・マーケティング、営業などのビジネスサイドと私たち開発サイドの距離が近いことが挙げられ、ユーザーの「こんな機能がほしい」という要望をこまめにキャッチアップしては機能に反映するようにしています。少人数チームでスクラムを組んでいるのも、ユーザーニーズに迅速に対応し、サービスに実装するという狙いがあります。

――どうやってキャッチアップされているのですか?

盛岡さん: 端的に、「直接聞く」です。当社ではコアユーザーである女子高校生を集めたグループインタビューを年間200回以上行い、プリ機や「ピクトリンク」の利用状況・要望などを自由に話してもらっています。

その貴重な声をビジネスサイドが精査し、新規サービスや機能改善の企画としてまとめ、私たち開発側が具現化するというプロセスをスピーディに回しているのです。

ラクスパートナーズの人柄に惹かれ、QAを託せるメンバーを打診

――そうした開発部門にQAエンジニアの間宮さんが参画した背景を教えてください。
インタビューに答えてくれる盛岡さん2

盛岡さん: 「ピクトリンク」では新たな取り組みとして、フォトストレージサービス「PiCTLINK photos」を2023年5月に落書き無しのプリ画も取得可能な有料会員プラス向けにリリースし、9月に対象を有料会員に拡げました。
スマートフォン端末の容量を気にせずプリ機で思い出を沢山残してもらいたい、プリ画以外の写真も一緒に保管していただくことでより長い年月をかけて価値をお届けし続けたい、といった想いをもって、オリジナルでカタチにしたサービスです。

ただ、新しい試みゆえにリリース当初は品質面に課題があることが否めず、その対応策として、テスト・品質を専門に任せられるエンジニアを必要としていました。そこで、QAエンジニアの派遣を行っているラクスパートナーズさんに相談を持ち掛けたという経緯です。

――すでに取引実績があったことも、相談先として選んでいただけた理由ですか?

盛岡さん: おっしゃるとおりです。初めてラクスパートナーズさんのエンジニアをお迎えしたのは、約4年前になります。当時手薄だった「ピクトリンク」のフロントエンドエンジニアに参画していただきました。

その方は、技術面についてはもちろん、仕事に対する積極性や意欲、コミュニケーション能力などのヒューマンスキルに優れ、気持ちいい人柄が非常に好印象でした。
ビジネスサイドやバックエンドとも自ら進んで連携・調整に動いてくれて、自走力が高く、チームワークを重視するフリューの風土にもすぐに馴染んでもらえたことを覚えています。

2022年には別のプロジェクトで参画いただいた方もいらっしゃって、そういった実績それをきっかけにして、バックエンドやデータ分析等にもラクスパートナーズさんのエンジニアに入っていただき、今回のQAエンジニア・間宮さんの参画につながっていったというわけです。

――正社員採用ではなく、派遣を選ばれたことには何か理由がありますか?

盛岡さん:そうですね、手元の課題に対して迅速に解決したかったという点でしょうか。
私たちは常にサービスの拡充をめざしているため、その担い手であるエンジニアの人材不足が常態化している現状があります。そのため、派遣スタッフを含めて、いい人がいれば積極的に採用・登用しています。

その点で、ラクスパートナーズさんのエンジニアはこれまでの印象のとおり、スキル面でも人物面でも当社にフィットする方が多く、間宮さんもその一人だったということです。

――間宮さんの働きぶりについてどのように評価されていますか?

盛岡さん: 参画早々から欠かせない存在になっていただいています。テスト業務だけでなく、プロダクトの品質保証という観点でビジネスサイドや開発サイドと関わってくれるので、非常に心強いです。

例えばバグを発見した際にはエンジニアと徹底的にすり合わせて原因と対策を一緒に検討し、そもそも企画段階で留意点や改善点があるのであれば、企画担当に改善案をわかりやすく進言してくれます。
開発チームのメンバーたちからも「間宮さんが品質面をチェックしてくれるので安心できる」という言葉を聞きますし、実際、リリース時に課題が散見された品質面について、かなり安定してきた手応えがあります。

間宮さんが参画後、この1年で品質保証の重要性が社内に改めて浸透し、現在は当社社員1名が新たにQAエンジニアとして加わり、間宮さんと一緒にQAチームを組織しています。

正社員・派遣の垣根がなく、フラットにQAを主導できる環境

――間宮さんは、参画前からフリューのことは知っていましたか?
インタビューに答える間宮さん

間宮さん: はい、学生時代にプリ機でよく撮影して楽しんでいて、プリ機にフリューのロゴが必ずと言っていいほど付いていたので、馴染みがありました。

だから、フリューの案件があると聞いたときには、自然と興味をもちました。新規サービスのQAということで、テストだけでなく、品質保証のしくみを築き、ゆくゆくはテスト自動化にも挑めることにも惹かれ、参画を決めました。

――どんなことから取り組み始めたのですか?

間宮さん: 私が参画した当初、サービスの企画職の方がテストやバグ修正受け入れ確認 の業務を兼務している状況でした。そこで、まずは盛岡さんや企画職の方から状況を伺い、私が巻き取れる業務のすみ分けを行うことから始めました。

そして、プロダクトの仕様について把握することに努めつつ、テストの計画・設計・実施、新規機能の要件確認、受け入れ確認などを企画、開発の双方の方々と状況を随時共有しながら進めていきました。

――自身が参画することで、どんな価値を提供できていると思いますか?

間宮さん: まだまだ至らない面が多くあると思いますが、QA・テストに関する道筋を示し、企画と開発、ユーザーをつなぐ役割を担えるようになってきたと思います。

参画当初にやりとりを重ねた企画職の方からは、「テストや品質の面を安心して任せることができ、おかげで本来の企画の仕事に専念できるようになりました」と感謝の気持ちを伝えていただき、お役に立てていることに充実感と手応えを覚えました。

また、最近では大手アプリストアでダウンロード数が上昇し、カテゴリー別ランキングにランクインするようになってきました。
こうした目に見えた成果からも、サービスが着実に育ち、ユーザーに受け入れられていることを実感でき、私もそこに貢献できていることを嬉しく思います。

――今後チャレンジしたいことは?

間宮さん: 「PiCTLINK photos」は若年層ユーザーが多く、大きな可能性を秘めたサービスです。QAエンジニアとしてユーザーテストの場に同席した際には、高校生の皆さんが楽しそうにサービスを使ってくれる姿に触れられ、励みになりました。

これからも多くのユーザーが利用するアプリの品質を守る立場として、品質面に責任をもち、企画・開発チームと連携して品質管理を徹底していきます。また、現在はテスト自動化の仕組みづくりにも着手しており、アジャイル開発上で稼働させたいと意気込んでいるところです。

主体的に課題を見つけて動いてくれるので、頼もしい存在

――間宮さんの話を聞いて、盛岡さんはどのような印象を持たれましたか?

盛岡さん: 間宮さんは自身の役割を「企画と開発、ユーザーをつなぐ役割」と表現されていましたが、私の印象としては、単なるつなぎ役という枠を超え、早くから一緒にスクラムを組んでいただき、チームに欠かせない仲間になってくれていると感じています。

参画当初の業務の巻き取りについても、まずは私のほうで企画と開発の作業分担や、アプリの開発~リリースのフローをまとめ、「このあたりをQA側で巻き取りましょう」というような話はさせていただきましたが、それ以降、私はほとんどかかわることがなく、間宮さんが直接、企画と開発のメンバーとやりとりし、主体的に業務を巻き取ってくれました。

その後、リリースまでのプロセスに変更があった際にも、「アプリの全体仕様や遷移図についてもQAで管理しましょうか」と間宮さんから言っていただき、管理の負荷軽減につなげることができました。その一方で、QAばかりが抱え込んでしまうと逆に負荷が集中してしまうので、エンジニアがまず主要項目について誰でもリグレッションテストを行えるよう、間宮さんがその設計を主導してくれたこともありました。

――主体的に活動しているのですね。

盛岡さん: もう一つ、間宮さん自身は謙遜されていますが、テクニック面についても優れていて、それが顕著に表れるのが探索的テスト。これは事前にテストケースを書かず、QAエンジニアとしての経験・スキルをベースにテスト対象の把握とテスト内容の検討、テスト実施を並行して行うというもので、間宮さんはこの探索的テストによって「そんなところに!?」というバグを発見する精度が非常に高い。間宮さんにしか見つけられないだろうと、社内でも言われているくらいです。

そうした確かなスキルがあり、なおかつ主体的に課題を見つけて動いてくれるので、仲間として非常に頼もしく思います。

――最後に、今後ラクスパートナーズに期待することを教えてください。

盛岡さん: ラクスパートナーズさんのエンジニアは、専門技術とヒューマンスキルの両面が高く、チーム開発にすんなりと馴染んで力を発揮してくれます。自分の仕事はこの領域だけと限定せず、間宮さんのように枠を超え、さまざまな職種・ポジションと連携して事業・サービス全体のことを考えて行動してくれることも、その表れだと思います。今後もそうした活躍を続けていただけることに期待しています。

また、ラクスパートナーズさんには機械学習に強みがあると伺っています。「ピクトリンク」においても機械学習は今後強化していくべきテーマであり、社内に足りない知見・ノウハウを補っていただけるとありがたく思います。

これからも是非、「ピクトリンク」の成長をサポートしていただけると嬉しいです。

*1:2024年3月末 フリュー調べ

*2:2024年3月末時点

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