エンジニアの正社員型派遣とは?紹介予定派遣や一般派遣との違いについても詳しく解説

エンジニアの正社員型派遣とは?

ITエンジニアの人材確保が年々難しくなる中、多くの企業が中途採用SESに加えて、派遣という柔軟な人材活用に注目しています。特に、

  • 正社員型派遣(常用型派遣)
  • 紹介予定派遣
  • 登録型派遣(一般派遣)

の3つは、即戦力エンジニアを必要とする企業における有力な手段として導入が進んでいます。これらはすべて「派遣」の一種ではありますが、雇用関係・目的・活用スパン・コスト構造が大きく異なります。違いを理解しないまま導入すると、期待していた成果が得られないばかりか、採用コストの増加やプロジェクト進行への影響も招きかねません。

特に、「スピード重視で即戦力を確保したい」「採用のミスマッチを防ぎたい」「急な欠員補充に対応したい」といったシーンでは、最適な派遣形態の選択が事業スピードを左右するカギになります。
本記事では、これら3つの派遣形態の違いをわかりやすく整理し、自社に合った派遣活用の選び方を解説します。エンジニアの採用・体制強化に課題を感じている企業様は、ぜひご一読ください。

ITエンジニア採用担当者に関しての調査レポート

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正社員型派遣(常用型派遣)とは?

正社員型派遣とは、派遣社員が派遣元企業(派遣会社)の正社員として雇用され、派遣先(クライアント)企業で業務に従事する働き方です。
この働き方は「常用型派遣」や「無期雇用派遣」とも呼ばれており、「常用型派遣」は安定的な雇用関係を指し、「無期雇用派遣」は契約期間の定めがない派遣形態であることを強調しています。
一般派遣とは異なり、派遣期間が終了しても雇用は派遣元で継続されるため、派遣社員にとっては雇用の安定性があり、企業側にとっても継続的なノウハウの蓄積パフォーマンスの維持が期待できます。

この形態では、エンジニアが長期にわたって同じプロジェクトに携わることができるため、要件定義や設計、実装、運用・保守に至るまでの一連の工程をカバー可能です。また、開発経験が豊富な人材が多く、チーム単位での派遣も可能なため、マネジメント体制の強化にもつながります。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、一定期間(最長6ヶ月)の派遣期間を経て、派遣先企業が直接雇用することを前提とした派遣形態す。

採用前に実際の業務環境でスキルや適性を確認できるため、書類選考や面接だけでは判断できない人物像を見極められる点が大きな魅力です。
派遣期間中は、企業と候補者の双方が「お試し期間」として過ごすことができ、相性の良し悪いや働き方のスタイル、コミュニケーション能力など、実務を通じて判断することができます。採用のミスマッチを未然に防ぐことで、離職率の低減にもつながります。

出展:紹介予定派遣とは・・・(厚生労働省)

登録型派遣(一般派遣)とは?

登録型派遣(一般派遣)とは、派遣社員が派遣元企業(派遣会社)と有期契約を結び派遣先(クライアント)企業で一定期間業務に従事する働き方です。契約期間が終了すると、派遣社員と派遣元との雇用関係も終了するケースが多く、短期・中期的な人材ニーズへの対応に適した形態です。

正社員型派遣と異なり、雇用の継続性は低いため、エンジニアにとってはプロジェクト終了後のキャリアが不安定になることもあります。一方で、企業側からすると必要な期間だけ人材を確保できるため、柔軟なリソース調整が可能というメリットがあります。

この派遣形態では、比較的短期間で人材をアサインできるため、要件定義や設計といった上流工程よりも、運用・保守や実装フェーズなど「手を動かす工程」への即戦力投入に適しています。急な欠員補充やスポット的な開発体制の強化にも活用されています。

正社員型派遣、紹介予定派遣、登録型派遣の違い

以下の比較表に、正社員型派遣と紹介予定派遣、一般派遣(登録型派遣)の主な違いをまとめました。

項目正社員型派遣紹介予定派遣登録型派遣
雇用主派遣元企業派遣後は派遣先企業派遣元企業(有期契約
目的長期的な業務支援採用の見極め一時的・短期的な戦力補充
雇用の安定性高い(無期)中程度低い(契約終了前提)
導入スピード早いやや時間がかかる非常に早い

雇用主の違い

  • 正社員型派遣登録型派遣では、派遣元企業が雇用主となり、派遣社員と雇用契約を結びます(無期または有期)。
  • 一方、紹介予定派遣では、最初の雇用主は派遣元企業ですが、派遣期間終了後に派遣先企業が直接雇用主へ切り替わることが前提となっています。

目的の違い

  • 正社員型派遣は、長期的に安定して業務を遂行できる即戦力人材を、チームや個人単位で確保したい企業に適しています。
  • 紹介予定派遣は、将来的な社員登用を前提に、スキル・人柄・社風との相性を実務で見極めたいと考える企業に向いています。
  • 登録型派遣(一般派遣)は、短期的なプロジェクトやスポット的な繁忙対応など、一時的な人材不足の解消に最適です。

安定性とスピード

  • 正社員型派遣は、雇用が無期であるためエンジニアの離職リスクが低く、長期的な関与が可能です。導入スピードも比較的早く、即日アサインが可能なケースもあります。
  • 紹介予定派遣は、派遣期間を経てからの雇用判断となるため、導入から定着までに時間を要しますが、その分ミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。
  • 登録型派遣(一般派遣)は、案件開始までのスピード感が最も高く、急な欠員対応や短期案件での即応性に優れています。ただし雇用は基本的に有期のため、長期稼働には不向きです。

派遣法の「3年ルール」とは?

派遣社員を受け入れる際に必ず知っておくべき制度のひとつが、労働者派遣法に基づく「3年ルール」です。
これは、同一の派遣社員が同一の部署・ポジションで継続して働ける期間が原則3年まで
と定められているものです。

派遣期間の制限は2種類ある

  1. 個人単位の期間制限(同一派遣労働者)
     → 同じ派遣社員を同一の部署に派遣できるのは最長3年まで
  2. 事業所単位の期間制限(派遣ポジション)
     → 派遣の「受け入れ枠」自体が、原則として3年ごとに見直しが必要

このルールは、主に登録型派遣(一般派遣)に適用されますが、正社員型派遣(常用型派遣)と紹介予定派遣については一部例外が認められています。

正社員型派遣・紹介予定派遣は「3年ルール」の例外となる

紹介予定派遣は、派遣期間が最長6か月までと法律で定められているため、原則として3年の派遣期間制限(いわゆる3年ルール)は適用されません

また、派遣社員が派遣元企業と無期雇用契約を結んでいる「正社員型派遣」の場合も、3年を超えて同じ派遣先で勤務を継続することが可能です。これは、雇用の安定性が確保されていることから、期間制限の対象外とされているためです。

そのため、プロジェクトの長期化業務の属人化を避けたい企業にとっては、安定稼働し続けられる唯一の派遣形態とも言えます。

出展:
労働者派遣事業について(厚生労働省)
労働者派遣法に関するQ&A(厚生労働省)

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エンジニア視点で見る3つの派遣形態の違い

なぜ“働き手の視点”が重要なのか?

派遣形態を検討する際、企業側の都合だけで判断すると、ミスマッチや早期離脱につながる可能性があります。特にITエンジニアのような専門職では、働く側がどのような動機でその雇用形態を選ぶのかを理解することが、長期定着やモチベーション維持に直結します。

ここでは、各派遣形態について「働き手=エンジニア」の視点から、選ばれる理由を整理してみましょう。

正社員型派遣(常用型派遣)を選ぶ人の特徴と意図

よくある人物像

  • 安定志向で、雇用の継続性を重視する
  • 現場経験を積みながらスキルを磨きたい
  • 正社員待遇を受けながら、さまざまな現場に関わりたい

働き手にとってのメリット

  • 雇用は原則無期のため、給与・福利厚生が安定
  • 社会保険や教育制度など、派遣元のサポートが厚い
  • 多様なPJに携われるため、技術的な幅が広がる

出展:東京都「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)報告書

紹介予定派遣を選ぶ人の特徴と意図

よくある人物像

  • 自分に合った職場をじっくり選びたい
  • いきなり正社員になるのは不安だが、将来的には希望している
  • 実際に働いてみて、社風や人間関係を確かめたい

働き手にとってのメリット

  • 働きながら自社との相性を見極められる
  • 派遣期間中に評価されれば、そのまま正社員になれる
  • 面接や書類選考よりも実務でアピールできる

出展:厚生労働省「令和4年派遣労働者実態調査の概況」

登録型派遣(一般派遣)を選ぶ人の特徴と意図

よくある人物像

  • 自由な働き方を重視し、特定の企業に縛られたくない
  • フリーランスとの両立を考えている
  • ライフスタイルに合わせて働き方を柔軟に選びたい

働き手にとってのメリット

  • 自分の希望に合った期間・案件を選べる
  • 短期でさまざまなプロジェクトに関われる
  • 派遣元との関係が比較的ライトで気軽に始めやすい

出展:株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年版)」

当社の正社員型エンジニア派遣サービスのご紹介

ラクスパートナーズでは、インフラ・アプリケーション領域に精通したエンジニアを、正社員型派遣という形でご提供しています。技術力だけでなく、現場の課題を共有し、主体的に動ける人材を厳選しています。

さらに、1名単位の派遣に加え、PMリーダーを含むチーム体制の提供も可能です。導入企業からは「プロジェクトの進行がスムーズになった」「自社では難しい技術的判断を委ねられる」といった声も多く寄せられています。

派遣開始前のヒアリングから業務整理、マッチング後のフォローアップまで丁寧に対応いたしますので、「どこから相談してよいかわからない」といった企業様も、ぜひ一度ご相談ください。

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インフラエンジニア正社員型派遣の参画事例

ここでは、ラクスパートナーズインフラエンジニアの参画事例を一部ご紹介します。

派遣先企業

大手SIer企業(大規模な社内基幹システムの刷新およびクラウド移行プロジェクトを推進)

背景・課題

50以上の業務アプリケーションが連携する基幹システムにおいて、オンプレミス環境のサーバー保守切れやOS・ミドルウェアのEOS/EOLが迫っていた。刷新および社内クラウド化プロジェクトが並行して進む中対応可能なエンジニアのリソースが不足していた。

対応内容

  • 当初は構築メンバーとして参画し、その後、運用業務も兼任
  • 1年未満〜20年以上の幅広い経験層で構成される10名規模のエンジニアチームにおいてリーダーを担当
  • 要件定義〜保守運用までを一人称で遂行しつつ、Ansibleによる構築の自動化を推進
  • 社内クラウドおよびMicrosoft Azure環境への移行を実施

成果

  • ナレッジ共有を通じて手戻りを削減し、WBSの粒度向上課題の早期発見を実現
  • インフラ構築〜運用までの全工程を俯瞰的に把握し、若手からベテランまでの相談役として機能
  • 特にメンバー育成に注力し、チーム全体のパフォーマンスの向上
  • プロジェクトの理解促進と体制強化により、長期的なシステム安定化と効率化に貢献

他エンジニアの参考事例はこちら

まとめ:

「正社員型派遣」と「紹介予定派遣」、「登録型派遣」は、それぞれ異なる目的とメリットを持った人材活用の手法です。IT業界では即戦力人材の確保と、採用リスクの軽減の両立が求められる中、これらの選択肢を正しく理解し、自社にとって最適な形を見つけることが重要です。

自社の課題や採用戦略に合わせて適切な派遣形態を選択することで、人材不足という大きな課題を乗り越えることができます。当社では、エンジニア派遣のご相談を随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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