【企業向け】エンジニア派遣とは?メリットやSESとの違いを解説

企業向け-エンジニア派遣とは?メリットや注意点、SESとの違いを解説

DX推進やシステム内製化の進展により、企業に求められるエンジニア人材の確保方法は多様化しています。正社員採用に加え、プロジェクト単位で柔軟に体制を構築できる手段として注目されているのがエンジニア派遣です。

本コラムでは、エンジニア派遣の基本的な仕組みやメリット、SESとの違いについて整理し、自社に適した活用方法を解説します。

エンジニア派遣とは?

エンジニア派遣とは、派遣会社と雇用契約を結んだエンジニアが、派遣先企業の指揮命令のもとで業務を行う契約形態を指します。労働者派遣法に基づく仕組みであり、雇用主は派遣会社、業務上の指示を出す主体は派遣先企業となります。
労働者派遣法第2条第1号では、労働者派遣を「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定義しています。
つまり、雇用主は派遣会社でありながら、日々の業務指示は派遣先企業が行うという三者構造が前提となっています。

三者構造の整理
  • 派遣元(派遣会社)
    エンジニアとの雇用契約を締結し、給与支払いや社会保険手続きなどの雇用主責任を負う
  • 派遣先企業
    業務上の具体的な指示を出す「指揮命令権」を持つ
  • 派遣労働者(派遣エンジニア)
    派遣元と雇用関係を維持しながら、派遣先で業務を遂行する

なぜ、エンジニア派遣が注目されているのか?

背景には、構造的なIT人材不足があります。
経済産業省の試算では、IT人材は2030年に最大約79万人不足する可能性があるとされています。これは単なる一時的な人手不足ではなく、DX推進やクラウド・AI活用の拡大に伴う需要増加と、少子高齢化による労働力人口減少が重なった構造的課題です。
特に、先端技術領域や事業変革を担う高度IT人材への需要は拡大を続けており、スキルミスマッチも含めた需給ギャップが長期的に続くと見込まれています。

こうした構造的不足は、労働市場の統計にも表れています。厚生労働省「一般職業紹介状況(職業別有効求人倍率)」によると、「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率は継続的に1倍を上回り、全職種平均を上回る水準で推移しています。
有効求人倍率が1倍を超える状態は、求人数が求職者数を上回っていることを意味します。つまり企業側にとっては「採用競争が発生している状態」です。
この状況下では、採用リードタイムの長期化や採用単価の上昇、内定辞退リスクの増大といった課題が顕在化しやすくなります。

このような市場環境において、正社員採用のみで必要なスキルを確保することは容易ではありません。その代替・補完手段として、必要なスキルを持つエンジニアを一定期間活用できるエンジニア派遣が、現実的かつ柔軟性の高い手段として注目されているのです。

出典
・経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材育成の状況等について
・厚生労働省「一般職業紹介状況(職種別有効求人倍率)
・e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

エンジニア派遣の種類

エンジニア派遣と一口にいっても、契約形態にはいくつかの種類があります。
代表的なのは「登録型派遣」「正社員型(無期雇用派遣)」「紹介予定派遣」の3つです。それぞれ特徴が異なるため、プロジェクトの期間や目的に応じた選択が重要になります。

登録型派遣

登録型派遣は、派遣会社に登録しているエンジニアが、派遣契約の期間中のみ雇用される形態です。契約が終了すれば雇用関係も終了するため、比較的柔軟に人員を調整できる点が特徴です。

短期プロジェクトや繁忙期の一時的な増員には適していますが、原則として「3年ルール」の対象となるため、同じエンジニアに長期間参画してもらうことは難しくなります。そのため、期間が明確な案件やスポット的な活用に向いているモデルといえます。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、一定期間派遣として就業した後、双方の合意があれば直接雇用へ切り替えることを前提とした形態です。実際の業務を通じてスキルやカルチャーフィットを確認できるため、採用のミスマッチを防ぎたい場合に活用されます。

ただし、あくまで最終的な直接雇用を前提とする仕組みであるため、純粋なリソース補強とは目的が異なります。将来的に正社員として迎え入れることを想定している場合に適したモデルです。

正社員型派遣(常用型派遣、無期雇用派遣)

正社員型派遣は、エンジニアが派遣会社と無期雇用契約を結んでいる形態です。一般的には、「常用型派遣」「無期雇用派遣」とも呼称され、派遣契約が終了しても雇用関係は継続するため、安定したキャリア形成を前提とした働き方になります。

この場合、「3年ルール」の対象外となるため、長期プロジェクトや継続的なプロダクト開発にも対応しやすいのが特長です。自社社員と混成チームを組みながら中長期で体制を構築したい企業にとっては、相性の良い選択肢といえます。

エンジニア派遣のメリット・注意点

エンジニア派遣は採用環境が厳しさを増すなかで、企業の開発体制を柔軟かつ戦略的に設計できる選択肢として活用されています。ここでは、企業側の視点でメリットと活用するうえでの注意点を整理します。

エンジニア派遣のメリット
  • 採用コストをかけずに即戦力を確保できる
  • エンジニアの教育コストを削減できる
  • 労務コストを削減できる
  • エンジニアへ直接指示が可能
エンジニア派遣の注意点
  • 登録型派遣の場合、派遣期間の制限がある(3年ルール)
  • 成果物の保証はない

メリット① 採用・育成コストをかけずに即戦力を確保できる

エンジニアを正社員として採用する場合、求人広告費や人材紹介手数料、選考工数など、多くのコストと時間がかかります。加えて、時間とコストをかけて採用しても、入社後にミスマッチが発生する可能性がある点も、正社員採用の難しさといえます。

一方で、エンジニア派遣では、これらの採用活動は派遣会社が担うため、派遣を検討する側はスキル要件に合う人材の提案を受けたうえで受け入れを判断することができます。
また、正社員型派遣では派遣会社がエンジニアを無期雇用しているため、スキルや志向性を把握したうえでのマッチングが行われやすい傾向があります。

そのため、プロジェクト開始に合わせて体制を整えやすく、採用リスクを抑えながら即戦力を確保できる点が大きなメリットといえるでしょう。

メリット② エンジニアの教育コストを削減できる

エンジニアを育成するには、研修やOJT、継続的なスキルアップ支援などが欠かせません。若手採用であれば、戦力化までに一定の期間も必要になります。派遣エンジニアは、契約時点で一定のスキルや実務経験を持つ人材を選定できます。また、教育訓練やキャリア形成支援は派遣元が実施することとされています。
そのため、基礎的な教育コストや育成負担を抑えながら、現場に必要なスキルを補強できます。

メリット③ 労務コストを削減できる

派遣契約では、エンジニアの雇用主は派遣会社のため、給与計算や社会保険、福利厚生などの労務管理は派遣会社が対応します。
そのため、企業側は雇用管理に関わる事務負担を増やすことなく人員を増強でき、人事・総務部門の負担を抑えながら、開発体制を拡張できる点も大きなメリットです。

メリット④ エンジニアへ直接指示が可能

SESによる準委任契約と大きく異なる点でもありますが、派遣契約では、派遣先企業がエンジニアに対して指揮命令権を持ちます。
そのため、日々の業務指示や優先順位の変更、仕様の微調整などを開発担当の方が直接指揮することが可能なため、自社主導で開発を進めたい場合に適しており、変化の多いプロジェクトではこの柔軟性が大きな強みになります。

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注意点① 登録型派遣の場合、派遣期間の制限がある(3年ルール)

労働者派遣法では、原則として同一の組織単位で同一の派遣労働者を受け入れられる期間は3年までとされています。いわゆる「3年ルール」と呼ばれるものです。
そのため、登録型派遣の場合、長期プロジェクトでは同じエンジニアに継続して参画してもらうことが難しくなるケースがあります。体制の安定性を重視する企業にとっては、事前に確認しておきたいポイントです。

一方で、派遣会社と無期雇用契約を結んでいる「正社員型派遣(無期雇用派遣)」であれば、この期間制限の対象外となります。長期的なプロジェクトや内製化推進を見据えた体制構築にも対応しやすい形態です。派遣といっても契約形態によって条件は異なるため、自社のプロジェクト特性に合ったモデルを選ぶことが重要です。

注意点② 成果物の保証はない

派遣契約は「労働力の提供」に対して対価を支払う契約のため、請負契約とは異なり、成果物の完成を保証する契約ではありません。
そのため、成果責任を明確にしたい業務については、請負契約との使い分けを検討することが重要です。

SESとの違いとは?

エンジニア派遣とよく比較されるのが、SES(System Engineering Service)です。
どちらもエンジニアが企業に常駐して働くケースが多いため、混同されやすい契約形態ですが、契約上の考え方は大きく異なります。

SESは「準委任契約」に基づく業務委託

SESは、一般的に民法上の「準委任契約」に基づく業務委託です。
準委任契約は、「業務を適切に遂行すること」に対して報酬が支払われる契約形態であり、成果物の完成を目的とする請負契約とも、労働者派遣法に基づく派遣契約とも異なります。
報酬は、エンジニアの稼働時間やスキルレベルに応じて設定されるのが一般的です。

最大の違いは「指揮命令権」

エンジニア派遣とSESの本質的な違いは、指揮命令権の所在にあります。

契約形態の違い
  • エンジニア派遣(労働者派遣契約)
    → 派遣先企業が直接指示を出す
  • SES(準委任契約)
    → SES企業(ベンダー側)がエンジニアに指示を出す

SESでは、クライアント企業がエンジニアへ直接業務指示を出すことはできません。業務上の指示は、あくまでSES企業の責任者を通して行うのが原則です。
この点を誤ると、契約形態と実態が一致しない「偽装請負」と判断されるリスクがあります。

エンジニア派遣が向いている企業とは?

エンジニア派遣は、すべての企業にとって最適な選択肢というわけではありません。しかし、一定の条件に当てはまる企業にとっては、開発体制を整えるうえで非常に有効な手段となります。ここでは、特に相性の良いケースを整理します。

正社員採用が難航している企業

エンジニアの中途採用は競争が激しく、採用活動に時間とコストをかけても、必ずしも採用できるとは限りません。事業は前に進めたいものの、人材確保がボトルネックになっている場合、派遣を活用することで体制構築までの時間を短縮できます。

採用活動と並行しながら、まずは必要なリソースを確保したい企業に向いています。

内製化を進めたいが、リソースが不足している企業

DX推進やシステム内製化を掲げていても、実際にはエンジニアが足りず、ベンダー依存から脱却できないケースは少なくありません。

エンジニア派遣であれば、自社の指揮命令のもとで開発を進められるため、ノウハウを社内に蓄積しやすくなります。自社社員と混成チームを組みながら、段階的に内製化を進めたい企業に適した形態です。

プロジェクト単位で体制を拡張したい企業

新規サービス立ち上げやシステム刷新など、一定期間だけ開発体制を強化したい場面もあります。こうしたケースでは、必要な期間だけリソースを増強できる派遣の柔軟性が活きます。

プロジェクトのフェーズに応じて体制を調整できるため、固定費を増やさずに開発力を強化できます。

開発方針を自社で主導したい企業

自社にPMやテックリードが在籍しており、開発の優先順位や進め方を細かくコントロールしたい企業にとっても、派遣は相性が良い選択肢です。

直接指示が可能なため、アジャイル開発や仕様変更が多いプロジェクトにも柔軟に対応できます。

エンジニア派遣は、内製チームとのハイブリッド活用としても有効

エンジニア派遣は、必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ活用できる契約形態です。
採用活動や育成にかかる負担を抑えながら、開発体制を柔軟に構築できる点は、多くの企業にとって大きなメリットといえるでしょう。

一方で、契約形態によっては派遣期間の制限があることや、成果物の完成を保証する契約ではないことなど、あらかじめ理解しておくべきポイントもあります。制度を正しく理解しないまま活用すると、想定とのギャップが生じる可能性があるため注意が必要です。

人材不足が続く中で、開発体制の選択肢を広げることは企業の競争力に直結します。エンジニア派遣を正しく理解し、自社の戦略に合った形で活用することが、DX推進や内製化を前に進める一歩となるでしょう。

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