テックリード(リードエンジニア)の役割とは?PM・PLとの違いや採用のポイントを解説

テックリード(リードエンジニア)の役割とは?PM・PLとの違いと採用のポイントを解説

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システム開発の現場では、「テックリード」「PM(プロジェクトマネージャー)」「PL(プロジェクトリーダー)」といったリーダー職が不可欠です。しかし、人事担当者から見るとそれぞれの役割が似て見え、違いが分かりにくいことも少なくありません。
経済産業省の調査によれば、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。特にリーダ層のエンジニアの採用競争は年々激しさを増しています。
本記事では、日本のIT人材市場の現状を踏まえながら、テックリードの役割を整理し、PM・PLとの違いを分かりやすく解説します。

テックリード(リードエンジニア)とは?

テックリードは、エンジニアチームを技術面から牽引するリーダーです。単に優れたプログラマーというだけでなく、設計方針の決定やコード品質の担保、チームメンバーの育成、そして他部署との橋渡し役まで担います。組織における「技術的な羅針盤」として、開発の方向性と品質を保証する重要な存在です。

技術面のリーダー

プロジェクトの設計方針や技術選定をリードし、コードレビューを通じて品質を担保します。トラブル発生時には解決策を提示し、チーム全体が迷わず開発を進められるよう支援します。

マネジメント支援

テックリードはマネージャーではありませんが、進捗やメンバーの負荷を把握しながら助言やタスクの割り振りを行うことがあります。こうした補助的なマネジメントにより、開発が滞らないよう調整します。

社内外との窓口

エンジニア以外の関係者に対しても、技術的な課題や方針をわかりやすく伝える役割を持ちます。ビジネス部門や運用部門との橋渡しをすることで、開発チームが孤立せず、全体としてスムーズに連携できるようにします。

採用の確認ポイント
  • コードレビューや設計方針をリードした経験
  • 複数メンバーを技術的に育成・指導した実績
  • 他部署へ技術的な内容を噛み砕いて説明できるコミュニケーション力

👉 面接では「過去にコード品質をどう改善したか」チームメンバーをどう成長させたか」を質問すると、スキルを見極めやすいです。

PM(プロジェクトマネージャー)とは?

PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクト全体を統括し、計画から完了までを責任を持って管理する役割です。エンジニアリングに限らず、スケジュール・予算・リソース配分・リスク管理など、幅広い領域をカバーします。開発現場の「総監督」と言える存在です。

プロジェクト統括

PMは、プロジェクトの目標を設定し、スケジュールや予算を策定します。進捗やリスクを管理しながら、計画通りに完了できるよう全体をコントロールします。特に大規模案件では、複数のチームやPLを束ねることも多く、調整力が求められます。

対外折衝・調整

クライアントや経営層といったステークホルダーと直接やり取りし、合意形成や要件のすり合わせを行います。また、社内の他部門とも連携し、ビジネス目標と開発計画を整合させるのも重要な仕事です。

技術より運営重視

PMは必ずしも技術に詳しい必要はありません。むしろ、プロジェクトを円滑に進めるための「コミュニケーション力」「意思決定力」「マネジメント力」が重視されます。技術の詳細はテックリードに任せ、PMは全体の進行と成果に責任を持ちます。

採用の確認ポイント
  • プロジェクト計画の立案経験(予算・納期・リスク管理を含む)
  • クライアントや経営層との折衝経験
  • 技術知識よりも調整力・意思決定力の有無

👉 面接では「予算や納期のトラブル時にどう調整したか」を聞くと適性が見えます。

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PL(プロジェクトリーダー)とは?

PL(プロジェクトリーダー)は、PMが策定した計画を現場で実行に移す役割を担います。チームメンバーに近い立場で、具体的なタスク管理や指導を行い、日々の進捗をリードする「現場の責任者」です。

現場の実行責任者

PLはプロジェクトの遂行段階に深く関与します。メンバーにタスクを割り振り、進捗を管理し、現場で発生する課題を解決することが主な業務です。小規模チームでは、PLがPMの役割を一部兼ねるケースもあります。

チームマネジメント

PLはメンバーのスキルや状況に応じて指導を行い、チームの生産性や士気を高めることも期待されます。開発現場に最も近いリーダーとして、メンバーの相談役や教育係を担う場面も多いのが特徴です。

テックリードとの違い

PLとテックリードはどちらも「リーダー」ですが、役割は異なります。テックリードは技術的な専門性でチームを引っ張るのに対し、PLは進行管理や調整に比重があり、技術スキルよりもマネジメントスキルが重視されます。

採用の確認ポイント
  • 少人数チームでのリーダー経験
  • タスク割り振り・進捗管理スキル
  • チームの士気を高めるマネジメント力

👉 面接では「現場で発生したトラブルをどう解決したか」という現場対応力について聞くと判断材料になります。

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テックリード・PM・PLの違いまとめ

目的は同じ「プロジェクトの成功」でも、それぞれが担う役割や専門性には大きな違いがあります。テックリードは技術を軸に、PMは事業・運営を軸に、PLは現場実務を軸にチームをリードします。表に整理すると違いがより明確になります。

項目テックリード
(リードエンジニア)
PM
(プロジェクトマネージャー)
PL
(プロジェクトリーダー)
主な役割技術品質の担保、技術選定、コードレビュープロジェクト全体の統括、計画・予算・リソース管理現場での進捗管理、課題解決、メンバー指導
責任範囲技術領域、エンジニアチーム内プロジェクト全体、クライアントや経営層も含むチームや実務段階
強み技術力・専門性、品質保証調整力、マネジメント力、意思決定チームマネジメント力、現場対応力
技術的関与高い技術力が必須技術知識は必須ではない技術スキルがあると有利だが必須ではない
コミュニケーション対象主に開発チームや社内の技術部門経営層、顧客、他部門など広範囲開発メンバーや現場中心

このように、それぞれが異なる角度からチームを支えることで、プロジェクト全体の成功が成り立っています。採用時には、この違いを明確に理解したうえで人材要件を定義することが不可欠です。

採用時に押さえるべきポイント

テックリード・PM・PLはいずれも重要な役割ですが、採用の場面では「自社にとってどのポジションが今必要なのか」を明確にしなければなりません。役割の違いを理解したうえで、採用時に注意すべき視点を整理しておきましょう。

募集要件の明確化

「技術的なリードが必要なのか」「進行管理を任せたいのか」「現場をまとめる人材が不足しているのか」を最初に定義しましょう。曖昧なまま求人を出すと、候補者が混乱し、採用ミスマッチにつながります。

求められるスキルを整理

  • テックリード
    コードレビュー・設計方針の策定経験、最新技術への理解力
  • PM
    予算・納期管理、ステークホルダー調整力、意思決定力
  • PL
    チームマネジメント、現場調整、進捗管理スキル

こうしたスキルの整理を求人票に盛り込むことで、候補者も「自分に合うか」を判断しやすくなります。

兼任ケースに注意

特に中小規模の企業では、テックリードがPM的な調整も担うケースがあります。しかし、兼任させすぎると負荷が集中し、離職リスクにつながることもあるため、求める役割を現実的に分担するか、サポート体制を整えることが重要です。

キャリアパスと報酬相場

採用担当者にとって、候補者の将来像や報酬水準を理解しておくことは非常に重要です。長期的な定着やモチベーション維持に直結するため、キャリアパスと年収相場を整理しておきましょう。

テックリードのキャリアパス

テックリードは高度な技術力を活かし、次のようなポジションへとステップアップするケースが多いです。

  • アーキテクト(システム全体の設計責任者)
  • CTO(最高技術責任者)
  • 技術顧問やスペシャリストポジション

技術を突き詰めたい志向が強く、現場での専門性を高め続ける人材が多いのが特徴です。

PMのキャリアパス

PMはプロジェクトを統括する経験を経て、より経営寄りの役割に進むケースが一般的です。

  • PdM(プロダクトマネージャー)
  • 部門マネージャーや事業責任者
  • 経営層へのキャリアアップ

「技術」より「事業推進・マネジメント」に軸足を置きたい人材に向いています。

PLのキャリアパス

PLは現場でのリーダー経験を積み、PMへとステップアップする道筋が多く見られます。

  • PM(プロジェクトマネージャー)への昇格
  • 特定分野に特化した専門リーダー職
  • 小規模組織ではテックリードとの兼任ケースも

報酬相場

市場データによると、テックリードやPMの年収は一般的なエンジニア職より高水準です。ただし職種や企業規模、経験値によって幅が大きいのが特徴です。

  • テックリード
    平均年収は約700万円前後。求人ボックスの集計では、394万円〜1,158万円の範囲が確認されています。企業規模やスキルによっては1,200万円を超えるケースもあります。
  • PM
    平均年収は約649万円。年収レンジは365〜1,189万円と幅広く、経験豊富なシニア層や外資系企業では1,200〜2,000万円に達するケースもあります。
  • PL
    明確な統計データは限られますが、一般的なエンジニアより高く、600〜900万円程度が相場とされています。

このように、キャリアパスや年収の期待値を理解しておくことで、候補者との面談や条件提示の際に説得力を持って説明できます。

出典:
求人ボックス「プロジェクトマネージャーの仕事の年収・時給・給料」
PR TIMES「世界のIT技術者の給与動向調査」
pm-career.jp「プロジェクトマネージャーの平均年収【2025年版】」

まとめ

テックリード、PM、PLはいずれもプロジェクト成功に不可欠ですが、責任範囲とスキルセットは異なります。採用の現場では「どの役割を求めるのか」を明確にしたうえで、求人票や面接質問に反映させることが大切です。
日本のIT人材不足は深刻であり、特にテックリードやPMクラスの採用は競争が激化しています。だからこそ、待ちの採用から一歩踏み込み、役割定義と採用設計を磨き上げることが、自社の未来のエンジニア組織を支える第一歩となります。

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