こんにちは!ラクスパートナーズ採用担当です。
本記事は、未経験エンジニア応援チャンネル『【未経験おすすめIT職種】QAエンジニアとは?仕事内容・自動化・テスターとの違いなど徹底解説!』の内容をもとに、QAエンジニアの仕事について解説形式でご紹介します。
「QAエンジニア」という仕事について、最近耳にする機会は増えたけれど、実際どんなことをしているか、あまりイメージが持てていないという方も多いのでは?
私たちが日常的に使っているアプリケーションやWebサービスに「使いやすさ」や「バグの少なさ」「安心感」があるのは、開発チームの一員として品質を守り続けるQAエンジニアの存在があるからです。
本記事では、未経験からQAエンジニアを目指したさっしーさんに、QAエンジニアの仕事内容についてお話を伺いました。
QAエンジニアに興味はあるけれど、イメージを掴みきれていないという方にオススメです!
目次
QAエンジニアの【QA】とは?
QAエンジニアのQAとは「Quality Assurance(品質保証)」の略です。

品質保証の名の通り、QAエンジニアはアプリケーションやWebシステムが正しく、そして安全に動作するように、不具合(バグ)を見つけたり、使い勝手を確認したりする品質保証の専門職です。
開発エンジニアが作成したアプリケーションやWebシステムが、ユーザーの期待通りに動作するかを検証し、品質を保証する役割を担います。
単に動作をチェックをするだけではなく、仕様の理解、テスト設計、テスト実施、バグの報告、さらには改善提案に至るまで、品質保証に関わるあらゆる工程を幅広く担当します。
まさにプロダクトの“最後の砦”といえる存在です。
QAエンジニアの仕事内容
QAエンジニアの仕事は多岐にわたりますが、主に以下の3つに分類されます。
- テスト計画
- テスト実施
- テストの自動化
テスト計画
仕様理解とテスト計画立案
開発エンジニアと連携し、今回作業するアプリケーションやWebシステムの仕様や、今回の開発で実現させたい内容を確認し、「どこを・どうテストするか」を明確にします。
リスクの高いポイントや、ユーザーが困りそうな操作などを想定し、テスト計画を立てていきます。
テストケースの作成
開発エンジニアと情報のすり合わせをしたのち、テストケースと呼ばれる手順書を作成します。
テストケースとは、操作手順やその結果として期待される結果を明確に記載した文書です。
開発するアプリケーションやWebシステムには、あらかじめ「設計書」と呼ばれる仕様書が用意されています。
そこに記載された情報をもとに、各機能がどのように動作するべきかを読み取り、仕様に沿ってテストケースを一つひとつ書き起こしていきます。
テストケースの例として「名前入力欄に100文字以上入れたらどうなる?」といった細かな内容もあります。

QAエンジニアは、リリース後にバグが発生しないよう、どのようなテストを実施すべきか、品質保証ができるのかを考えながら、仕様に基づいてあらゆる観点からテストケースを洗い出していきます。
テスト実施
テストの実行
作成したテストケースをもとに、アプリケーションを実際に操作し、仕様通りに正しく動作するかを確認します。
たとえば、友達と連絡ができるメッセージアプリケーションのテストを行う場合、「友達追加ボタンを押すと、新しく友達が登録される」という仕様に対しては、以下のようなポイントを細かく検証します。
- ボタンを押下した際に、正しく画面が遷移するか
- 操作後、本当に友達として登録されたことが確認できるか
また、「バグが出ないか」という観点からは、さまざまな使用状況も想定し、確認を行っていきます。たとえば、【友達追加ボタンを短時間で連打しても問題が起こらないか】などです。
実際のアプリでは、ボタンの連打による誤操作を防ぐために「ダブルタップの抑制」などの制御が施されていることが一般的です。
これにより、複数回ボタンを押しても最初の1回のみが有効になります。
しかしこの制御がされていない場合、ボタンを押した回数だけ処理が実行され、意図せずデータが何重にも登録されてしまうことがあります。

さらに、テストは複数の端末や環境でも実施します。スマートフォンの機種やOSのバージョンによって、動作や表示が異なることがあるためです。同じテストケースであっても、環境ごとに実行し、端末やOS依存のバグがないかも確認します。
バグの原因を切り分け、どの条件で不具合が発生するのかを特定するのも、QAエンジニアの大切な役割のひとつです。
ラクスパートナーズでは、こういったQAエンジニアのテスト手法を入社後3カ月間しっかりと研修してから、業務に臨むことができます。
QAエンジニアに興味がある方は、まず説明会などで情報収集してみてはいかがでしょうか?
バグの報告
テスト中にバグや想定外の動作を発見した場合は、JIRAやRedmineなどのプロジェクト管理ツールを使って、開発エンジニアへ詳細な報告を行います。
報告には、以下のような情報を添えて正確に伝えることが重要です。
- スクリーンショット
- 再現手順
- 発生時の端末や環境情報
- ログファイル
これらをツール上で共有することで、「どの画面で」「どの操作を行ったときに」「どのような端末で」問題が発生したのかが一目で把握でき、開発とのスムーズな連携が可能になります。
報告時には、開発エンジニアが修正しやすいように、状況をできるだけ正確かつ詳細に伝えることを心がけます。
特にログ情報は、エラーの原因箇所を特定するうえで非常に有効です。
動作履歴が記録されており、エラー発生時の状態やメッセージが確認できるため、修正の手がかりになります。
情報共有の工夫
また不具合が発見されたタイミングでは、開発エンジニアはすでに別のタスクに取り組んでいることも多く、数週間前に対応した機能の不具合を報告されても、すぐに思い出すのが難しい場合があります。
そういった際に、スクリーンショットやログ、詳細な再現手順といった資料が揃っていれば、原因の特定や修正作業がスムーズに進みます。

このように、QAエンジニアは単にバグを報告するだけでなく、「どうすればより早く、的確に修正できるか」という視点で、情報共有やサポートを行っています。
また、想定外の動作が起こる背景には「仕様の認識違い」や「仕様漏れ」が含まれていることも少なくありません。
たとえば、要件定義では仕様が定まっていたとしても、それが開発者に正しく伝わっておらず、誤った実装が進んでしまうケースもあります。
こうした事態を防ぐためにも、QAチームの存在は非常に重要です。
テスト中に仕様の不備や抜け漏れを発見し、開発エンジニアへフィードバックすることで、品質の向上につながります。
重要度の判断
発見されたバグについては、すべてを即座に修正するとは限りません。
リリースのスケジュールや影響範囲を考慮し、開発エンジニアと認識を合わせ、バグの重要度に応じて対応の優先順位を決定します。
具体的には、そのバグがアプリケーションの動作にどれほど重大な影響を与えるかを見極め、「致命的」か「軽微」かを判断します。

たとえば、アプリが正常に動作せずユーザーに重大な影響を与えるバグは、最優先で修正対象となります。
一方で、ユーザーの利用には支障がなく見た目のみの問題であれば、次回以降のリリースでの対応に回すこともあります。
こうした判断は、QAエンジニアが開発エンジニアなどと連携しながら行います。
バグの内容や優先度について合意を取りながら、リリースに向けた品質のコントロールをしていくのも、QAエンジニアの重要な役割のひとつです。
上記の対応を経て、テストを繰り返し、品質のチェックを行っていきます。
テストの自動化
テスト対応を繰り返していく中で、実行すべきテスト項目は次第に増えていきます。
そのすべてを手動で実施し続けるのは、時間と労力がかかるうえ、網羅的な検証が難しくなっていきます。
そこで、効率的に品質を保証する手段として「テストの自動化」が注目されています。
自動化により、繰り返し行うテストを効率化し、ヒューマンエラーの削減や作業時間の短縮が期待できます。
テストの自動化とは
テストの自動化とは、アプリケーションやWebシステムに対して、あらかじめ指定した操作や確認項目を自動で実行し、その結果を瞬時に確認できる仕組みのことです。
指定の言語で「テストコード」と呼ばれるプログラムを作成し、実際にテストコードを実行すると、コンピューターがその手順に従ってアプリケーションを操作し、バグの有無などの結果を自動的に出力してくれます。
たとえば「ボタンを連打する」という動作も、テストコードで指定しておけば、人の手を介さずに正確かつ高速に実行可能です。
このように、テストを代わりに行ってくれる“ロボット”を作るようなイメージです。

代表的な自動化ツールには、Selenium や Cypress などがあります。
また最近では、コードを書く必要のない「ノーコード」ツールも登場しており、たとえば「ボタンを押してください」といった日本語の指示で自動テストを実行できるものもあります。
自動化を導入することで、繰り返しのテストを効率化し、品質保証の精度とスピードを高めていくことが可能です。
自動化のメリット
テストの自動化を導入することで、品質保証におけるさまざまな業務が効率化され、多くのメリットが得られます。
その代表的な例が【退行テスト(リグレッションテスト)】です。
これは、新しい機能の追加や仕様を変更した際に、既存の機能に影響を与えていないかを確認するためのテスト手法です。
たとえば、キーボード入力のみできるチャットアプリケーションに「音声入力」の機能を追加したとします。
音声入力そのものは正常に動作したとしても、それによって従来の「キーボード入力」に不具合が発生していないかを確認する必要があります。

このような確認は、新機能を追加するたびに繰り返し実施する必要がありますが、手動で行うのは非常に手間がかかります。
しかし、あらかじめ自動化されたテストコードがあれば、それを実行するだけで既存機能の動作確認が短時間で行えるため、業務の効率化に繋がります。
人の手を介さず、変更の影響範囲をすばやく把握できる点が、自動化の大きな強みです。
結果として、リリースサイクルを短縮しながらも高い品質を維持することが可能になります。
自動化は開発スキルも求められる領域
テストの自動化は非常に便利で効率的な手法ですが、導入には一定のハードルがあります。
その理由の一つが、テストコードの作成や保守にはプログラミングスキルが求められるという点です。
テストコードを書けるかどうか、書いたコードを長期的に保守・管理できるかといった技術的なスキルが必要であり、その分、導入には初期コストや学習コストがかかります。
だからこそ、自動化に対応できる人材はより高く評価される傾向にあります。

また、自動化を活用するには、単にコードを書く力だけでなく、どのテストケースを自動化すべきか、どのような分岐やパターンが存在するかといった全体の設計力やテスト観点の把握も不可欠です。
つまり、自動化の分野はQAと開発の両方のスキルが求められる領域といえます。
その分、やりがいも大きく、技術者としての成長にもつながる魅力的なフィールドです。
QAエンジニアとテスターの違いとは?
以前は「QAエンジニア」よりも「テスター」という言葉の方が一般的で、耳なじみのある用語でした。
しかし近年では、両者の役割に明確な違いがあることが意識されるようになってきています。
これはあくまでさっしーさんの主観も含まれますが、QAエンジニアとテスターの大きな違いは「ユーザー視点での品質向上提案ができるかどうか」にあると思うと話しています。
実際にテスターは、決められたテストケースに基づいて「バグがあるかないか」を確認する実行者としての役割が強いのに対し、QAエンジニアは品質保証を担うエンジニアといった観点から、テスト実行の他、「この画面は、ユーザー視点だと見づらくないか?」「登録手順が煩雑で、使いづらくないか?」といったユーザビリティや体験そのものに対して改善提案を行うことも求められます。
こうした提案は、テスト段階に限らず、仕様検討や構想段階から関わることができるのも、QAの特徴です。

実際に現場でも、開発エンジニアから改善の余地がないかとQAに相談が寄せられることも多く、単にテストを実施するだけでなく、プロダクト全体の品質向上を考えた動きが求められる立場になっています。
また、QAエンジニアはテスト計画を立てたり、開発プロセスに参加して「もっと分かりやすい設計書にすれば品質が上がるのでは」といった提案も行います。
こうした働きかけを通じて、仕様の理解不足や設計ミスといった問題を未然に防ぐことができます。
こういった事前の介入によって品質を保つという点も、テスターではなくQAエンジニアならではの役割だといえるでしょう。
QAエンジニアとは品質を支える“縁の下の力持ち”
QAエンジニアは、ソフトウェアの「安心・安全」を守るプロフェッショナル。開発メンバーと協力しながら、ユーザーにとって“心地よい体験”を届けるために欠かせない存在です。
品質の向上はもちろん、ユーザーにとって快適な体験を届けるために、開発チームとともに価値を生み出します。
「モノづくりに関わりたい」「人の役に立つ仕事がしたい」「チームで成果を出したい」
そんな思いを持っている方には、QAエンジニアという職種がきっとぴったりです。
QAエンジニアは未経験からでもチャレンジしやすく、スキルアップやキャリアの幅も広い注目の職種です。
ラクスパートナーズでは、QAエンジニアとして新しい一歩を踏み出したい方をサポートしています。
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※登壇者は紹介されている人物と異なる場合があります。
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