AI(人工知能)やデータ分析の需要が高まる中、「AIエンジニア」という職種に注目が集まっています。
しかし、「未経験からでもAIエンジニアになれる?」「どんなスキルが必要?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、10年以上データサイエンティストとして活躍し、企業のコンサルティングやエンジニアの育成にも携わっている内場さん(株式会社すうがくぶんか 取締役社長)のお話しをもとに、AIエンジニアの仕事内容や求められるスキル、未経験からの目指し方を解説します。
目次
AIエンジニアの仕事内容とは?4つの職種の違いを解説!
「AIエンジニア」や「機械学習エンジニア」という言葉をよく耳にするものの、具体的にどんな仕事をしているのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。実は、AIエンジニアは専門性によって大きく4つの職種に分かれています。

それぞれの仕事内容や役割の違いについて、一つずつ解説します。
①機械学習エンジニアとは:AIの頭脳をつくる仕事
機械学習エンジニアは、AIの頭脳となる機械学習モデルの構築や実装を専門に行うエンジニアです。皆さんがECサイトで目にする「あなたへのおすすめ商品」や、YouTubeの「関連動画」、さらにはWeb広告の出し分けなど、日常生活に溶け込んでいる多くのサービスは、機械学習エンジニアによって作られています。
彼らの主な仕事は、単に計算をするだけでなく、ビジネス上の課題を数学的にどうモデル化するかという部分にあります。例えば、「顧客の購買履歴から、次に興味を持つであろう商品を予測する」という課題に対し、どのようなデータを使って、どのようなアルゴリズムで解決するかを設計する「考える力」が非常に重要となります。
例えばラクスパートナーズの機械学習エンジニアは、医療画像の解析AIを開発するプロジェクトに参画しています。CT画像や超音波画像を組み合わせたマルチモーダルモデルを構築することで、従来より高い精度で病変を検出できる仕組みを開発しました。
こうしたプロジェクトを通じて、画像処理・深層学習の専門知識に加えて、データ理解やモデルの実装に必要なMLOps・クラウドスキルなども身につけることができます。 将来的には、AIモデルの企画段階から関われるリードエンジニアや、異業種領域でのAI応用を推進するポジションへのキャリアパスも広がっていきます。
②データサイエンティストとは:データから価値を生み出す仕事
データサイエンティストは、データ分析や仮説検証を通じて、ビジネス課題を解決するプロフェッショナルです。集められたデータから意味のある洞察(インサイト)を見つけ出し、企業の意思決定をサポートします。
彼らの仕事は、「泥臭い」実験の繰り返しです。データに隠されたパターンを見つけ出すために、さまざまな手法を用いて試行錯誤し、検証を繰り返します。
例えば、ラクスパートナーズのデータサイエンティストは、大手通信会社の顧客データ分析を行い、実際に数万件のデータを整理・分析し、経営判断に活かせるダッシュボードを構築することで、ビジネスサイドの意思決定に貢献する仕事に従事しています。
こうしたプロジェクトを通じて、「データを価値に変える力」を磨くことができます。
③データアナリストとは:データを可視化し課題解決
データアナリストは、データサイエンティストと似ていますが、よりビジネスやコンサルティングに特化した役割を担います。
彼らの主な仕事は、データをグラフや表などを使って分かりやすく可視化し、ビジネスの課題解決に役立てることです。例えば、営業成績の推移やWebサイトのアクセス状況などを分析し、経営層や各部署の担当者が一目で理解できるようレポートを作成します。そのため、データを扱う技術はもちろん、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が非常に重要になります。
例えば、ラクスパートナーズのデータアナリストは、小売企業のデータ活用を推進するチームで、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)・CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を利用した基盤構築や、BIツールを利用したダッシュボードの構築、データ分析などを実施し、基盤構築から活用まで包括的に支援しています。
こうしたプロジェクトを通じて、顧客行動の深い理解に基づいた施策提言力や、データ基盤技術への知見を深め、データ戦略の立案を担えるようになっていきます。
④データエンジニアとは:AI開発を支えるデータ基盤の専門家
データエンジニアは、他の3つの職種がスムーズに仕事を進められるよう、データの基盤を構築・管理する専門家です。
分析に必要なデータを効率的に集め、整理し、いつでも使える状態に保つためのシステムを設計します。データ量の増大に伴い、膨大なコストやセキュリティを考慮したシステム構築が求められるため、非常に高度な専門スキルが必要です。現在、最も人材が不足している職種の一つです。
例えば、ラクスパートナーズのデータエンジニアは、GovTech(公共部門のデジタル化)分野で、公共資源配分の最適化を目指し、実データを用いた課題の数理的定式化、理論的分析、アルゴリズムの開発などを実施しています。
こうしたプロジェクトを通じて、データマネジメントシステム全体の構築や、高度なアルゴリズム開発・実装スキルを習得し、社会課題や産業の最適化を担う先進的なデータエンジニアへと成長できます。
未経験からAIエンジニアになるには?必要なスキル3選
「自分には難しそう…」と感じた方もいるかもしれませんが、ご安心ください。未経験からでもAIエンジニアになることは可能です。

未経験からAIエンジニアになるために、身につけておきたいスキルは以下の3つです。
数学・統計学の基礎知識
機械学習のアルゴリズムを理解するために、最低限の数学と統計学の知識は欠かせません。
「数学が得意じゃないとAIエンジニアは無理ですか?」という質問はよくあります。
結論から言うと、「得意でなくても大丈夫。ただし、ずっと付き合っていく覚悟は必要」です。
AIエンジニアには、数学の問題を解くよりも「課題をどう数式化するか」を考える力が求められます。
つまり、物事を数理的に整理する思考力が重要になります。
Python
データの処理やモデルの実装に広く使われるプログラミング言語です。Pythonはコードがシンプルで読みやすく、AI・機械学習・データ分析の分野で世界的に主流の言語となっています。
Pythonを使うことで、AI開発のあらゆる工程をカバーできます。
クラウドの知識
AIエンジニアにとってクラウドは、AIモデルを「動かす」「共有する」「スケールさせる」ための基盤です。
AI開発では膨大なデータを扱うため、ローカル環境だけでは処理が追いつきません。
そのため、AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azure といったクラウドサービスの活用が欠かせません。
おすすめサイト
ML エンジニア向け学習プログラム
Google Cloud上でAI開発を実践的に学べる公式トレーニング。
独学と研修、どちらが効果的?未経験者におすすめの学び方
独学のメリット・デメリット
- 自分のペースで進められる
- 学習のための費用がかかる
- ただし、「何をどこまで学ぶか」迷いやすい
- 学んだ結果、エンジニアになれるかどうかは本人次第
会社に入って研修を受けるメリット・デメリット
- AIエンジニアに必要なスキルを体系的に学べる
- 何をどこまでやれば良いか、現役講師からフィードバックを受けられる
- 実務を想定した課題でスキルを定着できる
- ただし、プロのエンジニアとして働くことへのコミットが求められる
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時間や場所を選ばない、録画動画視聴での参加も可能です。
学び続ける姿勢がキャリアを左右する
もちろん、学習は研修期間で終わりではありません。むしろそこからがスタートです。
研修で身につけた基礎力をもとに必要な知識を身に着けていく力が、長くキャリアを築くための最大の武器になります。
基礎を固め、学び続ける姿勢を持つことが、未経験からAIエンジニアとして活躍するための最短ルートです。

未経験からAIエンジニアを目指すならラクスパートナーズへ
ラクスパートナーズには、未経験からAIエンジニアになって活躍するための充実した研修プログラムがあります。3カ月の充実した研修で、AIエンジニアに必要なpythonや数学・統計学、クラウドの基礎を、専任講師が丁寧に指導します。
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