「ITエンジニア」と聞くと、パソコンに向かってプログラミングをしている姿をイメージするかもしれません。しかし、一言でエンジニアと言っても、その仕事内容は多岐にわたります。
特に未経験からITエンジニアを目指す方にとって、「フロントエンドエンジニア」「Webエンジニア」「バックエンドエンジニア」など、聞き慣れない言葉が多くて混乱してしまうこともあるでしょう。
この記事では、Webサービスやアプリの「裏側(バックエンド)」を支える、縁の下の力持ちである「バックエンドエンジニア」の仕事について、ECサイトを例に、具体的なイメージが湧くようにわかりやすく解説します。
関連記事
【保存版】ITエンジニアは20種類以上に分かれている?それぞれの仕事内容と適性を解説
目次
Webエンジニアの役割分担:フロントエンドとバックエンド
Webサービスを開発するエンジニアは「Webエンジニア」と呼ばれ、近年ではその仕事が専門性によって大きく二分されています。
「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」には、以下のような違いがあります。
| 役割 | 担当する領域 | 仕事内容(概要) |
|---|---|---|
| フロントエンドエンジニア | サービスの表側(ブラウザなどユーザーが見る部分) | 画面への情報表示やボタンの動きなど、ユーザーの操作に関わる部分の開発 |
| バックエンドエンジニア | サービスの裏側(サーバーやデータベース) | データ処理、登録、検索、セキュリティなど、サービスの機能や仕組みに関わる部分の開発 |
💡 補足:サーバーサイドエンジニアとの違いは?
バックエンドとサーバーサイドは、企業にもよりますが、ほとんど同じ意味で使われています。

関連記事
フロントエンドエンジニアとは?ウェブデザイナーとの違いとは?JavaScriptが必須な理由
バックエンドエンジニアの仕事内容
Webシステムは、単にプログラムを書くだけで完成するわけではありません。システム開発には、主に以下のフェーズがあり、バックエンドエンジニアは全ての工程に関わります。
| フェーズ | 主な作業内容 |
|---|---|
| 1. 要件定義 | 「何を作るか?」「どんな技術を使うか?」など、システムの目的と仕様を明確にする |
| 2. 設計 | 要件定義に基づき、具体的なシステムの設計図(設計書)を作成する |
| 3. 実装・構築 | 設計書通りにプログラミングを行い、Webシステムとして動くようにする |
| 4. 運用・保守 | システムのトラブル対応(バグ修正)や、機能の改善・追加を行う |
【ECサイトで解説】バックエンドエンジニアの具体的な仕事内容
バックエンドエンジニアは、私たちが普段利用しているWebサービスの「仕組み」や「機能」を作る仕事です。ECサイト(ネットショッピング)を例に、具体的な仕事を見ていきましょう。
データの「登録」と「管理」の仕組み作り:会員情報とセキュリティの要
私たちがECサイトで「会員登録」をする際、入力したID、パスワード、住所などの情報は、パソコンの画面に表示するだけではなく、どこかに保存される必要があります。その「データを記録・保存する」ための仕組みと、保存する場所(データベース)を作るのがバックエンドエンジニアの仕事です。
- データベースの設計と構築: 膨大なユーザーデータが効率よく、かつ安全に保管されるように、データベース自体(貯める場所)の構造を設計します。どの情報を、どんな形式で、どこに保存するかを決める、システムの土台作りです。
- 「登録」の処理: ユーザーが登録ボタンを押したとき、入力されたデータが欠けたり、間違ったりしないようにチェックし、データベースに正確に書き込むための処理(プログラム)を書きます。
- パスワードの保護: パスワードなどの機密情報が流出しないよう、暗号化して保存するセキュリティの仕組みも構築します。ユーザーがログインするたびに、入力されたパスワードと暗号化された保存データを照合する処理もバックエンドで行われています。

データを使った「検索」「レコメンド」の実現:欲しい情報を瞬時に見つけ出す技術
商品を探すとき、「5,000円以上」や「色:赤」など、条件で絞り込み検索をすることがあるでしょう。この時、バックエンドエンジニアが作った仕組みが、データベースの中から条件に合う商品を素早く探し出して表示しています。
- 「検索」の処理:ユーザーが「5,000円以上」「色:赤」といった検索条件を入力したとき、その条件をサーバーに送り、データベースに対し「この条件に合うデータをSQLという命令で取り出して!」と指示を出す処理(プログラム)を書きます。
- データ抽出の効率化:この検索指示(SQL)が、膨大なデータの中からミリ秒単位で条件に合う商品を素早く探し出し、フロントエンド(画面)に表示できる形にして返すまでのデータ処理全体を設計・実装します。
また、「あなたへのおすすめ商品」として過去の購入履歴に基づいた商品をトップ画面に表示する「レコメンド機能」なども、バックエンドの技術で実現されています。
- レコメンド機能の実現:ユーザーの過去の購入履歴や閲覧傾向などのデータを分析し、「次はこれに興味を持つだろう」と予測して表示するレコメンド機能など、ビジネス戦略に直結する複雑な分析ロジックや計算処理を設計・実装します。

やってみたい!と思ったら、
ラクスパートナーズのオンライン採用説明会に参加してみてください。
バックエンドエンジニアが使う主な技術
バックエンドエンジニアは、システムの機能や仕組みを作るために、以下のような技術を使います。
プログラミング言語
Webサービスの機能を作るための、主要なプログラミング言語です。
- Java
- Ruby
- PHP
- Python
- Go
など
Webフレームワーク(実務レベルで使う技術)
企業のアプリケーション開発には、フレームワークの活用が必須です。
1からプログラムを書く必要がなくなるため、スピーディな開発が可能です。
代表的なフレームワーク:
- Java:Spring Boot
- PHP:Laravel
- Ruby:Ruby on Rails
- Python:Django / FastAPI
- Go:Gin
API・サーバーとの通信(データを届ける技術)
フロントエンドから送られてきたデータを受け取り、必要な処理をして返す“やり取りのルール”を作る技術です。
必要スキル:
- API
- HTTP の理解(GET, POST など)
- JSON の扱い
データベース技術
データを登録、検索、編集、削除するために、データベースを操作する技術が必要です。
- SQL (エスキューエル): データベースに命令を出すための言語。データを取得したり、登録したりする際に使います。
- データベース製品: Oracle、MySQL、PostgreSQLなど。
インフラ(公開)技術
作ったWebシステムをインターネットを通じて公開(アクセスできる状態にする)ためのサーバー環境の構築です。企業によっては、インフラエンジニアが専任で担当することもあります。
- AWS (Amazon Web Services)
- GCP(Google Cloud Platform)
- Azure(Microsoft Azure)
など、クラウドサービスを使うことが多いです。
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴
バックエンドエンジニアに向いている人ってどんな人?と疑問を持つ方に、実務で活躍できる人の特徴を紹介します。
論理的思考力に優れている
論理的に物事を考えて整理する力が求められます。パズルやロジックゲームが好きな人にも向いています。
目に見えない部分に興味を持てる
正確に動作する仕組みやWebアプリの仕組みに関心がある人も活躍できるでしょう。
関連記事
【未経験から目指せる!】あなたはどのタイプ?ITエンジニア適性診断!得られるスキルとラクスパートナーズの研修もご紹介!
未経験からバックエンドエンジニアになるには?学習ロードマップ
未経験から即戦力として活躍できるエンジニアになるには、どのようなステップが必要なのでしょうか?
ここでは、ラクスパートナーズの3か月の研修内容をご紹介します。
ステップ1では、まずすべての開発の土台となるプログラミング言語(Java)と、データを扱うために不可欠なデータベース(DB)の基礎を徹底的に学習します。
基礎が固まったら、ステップ2として、より実践的なWeb開発に特化した技術を学びます。
最後にステップ3として、これまでに学んだ知識とスキルを結集し、実践的な開発に取り組みます。
| ステップ | 研修内容 |
|---|---|
| ステップ1 | プログラミング基礎オブジェクト指向入門/応用Javaプログラミング応用データベース基礎HTML/CSSDBアクセスプログラミング |
| ステップ2 | Webフレームワーク(Spring Boot / SpringMVC / Thymeleaf など)JavaScript / Ajaxエラー処理 / セキュリティ対策GitLinuxソフトウェアテスト入門 |
| ステップ3 | ECサイト(Spring Bootアプリ)の開発(プロジェクト型チーム演習) |
このロードマップは、単にプログラミング知識を詰め込むだけでなく、実際の開発現場で求められる「実践力」を養うことに重点を置いています。特に最後のステップ3のチーム演習を通じて、知識を「使える技術」に変えることで、直後から即戦力として自信を持って現場に立つことができるでしょう。
おすすめサイト
Progate
プログラミングを気軽に学習できるサイトです。
まとめ:バックエンドエンジニアは「縁の下の力持ち」
バックエンドエンジニアの仕事は、普段ユーザーの目には見えない「裏側」の仕組みを作ることです。この裏側の仕組みがあるからこそ、私たちは安全かつ快適にWebサービスを利用できるのです。
「何かを作りたい」「仕組みを考えるのが好き」という方にとって、バックエンドエンジニアは非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
ラクスパートナーズには、未経験で入社した方が3ヶ月間の充実した研修を受けて、実務で活躍できるエンジニアになれる仕組みがあります。
未経験からエンジニアを目指す方へ
バックエンドエンジニアの詳しい仕事を知りたい、自分に適性があるか知りたい方は、一度ラクスパートナーズの会社説明会にご参加ください。
オンライン採用説明会を開催しています!お気軽にご参加ください。
たったの3ヶ月で未経験から「Webエンジニア」に。▼バックエンドエンジニアの仕事内容について、動画でもご覧いただけます!