「このSES企業で本当に大丈夫なのだろうか?」
SESの活用を検討する中で、そのような不安を感じていませんか?
エンジニアとのスキルミスマッチやコミュニケーション不足は、プロジェクトの成否に直結する重要な課題です。だからこそ、SESを活用してプロジェクトを成功に導くためには、契約前に信頼できるパートナー企業を見極める必要があります。
そこで本記事では、数多くの開発現場をご支援してきた弊社の知見から、優良なSES企業を見極める8つのポイントを具体的に解説します。貴社に最適なパートナー選びの一助として、ぜひお役立てください。
【目次】
エンジニア採用難の現状
現在、多くの企業がエンジニア採用において困難に直面しています。
事業拡大や新規開発のためにエンジニアが必要であるにもかかわらず、求めるスキルを持つ人材の確保が極めて難しくなっている状況です。このエンジニア採用難は、国内のITサービス市場の拡大とそれに伴うエンジニア需要の急増や、構造的な人材不足が背景にあります。
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国内ITサービス市場の拡大
近年、国内のITサービス市場は拡大の一途をたどっています。経済産業省が実施している「特定サービス産業動態統計調査」によると、情報サービス業(ソフトウェア開発、プログラム作成を含む)の国内売上高は着実な成長を続けています。

▲参考:経済産業省
グラフからわかるように売上高はおおむね増加傾向で推移しており、特に2022年以降は比較的高めの成長率を維持しています。
これは、企業のDX推進やクラウド活用、AI導入などのITサービスへの投資が活発化していることを反映しており、それに伴いITエンジニアの需要も増加しているといえるでしょう。
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有効求人倍率は高水準で推移
ITサービス市場の拡大に対し、エンジニアの供給が追いついていないのが現状です。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」を見ても、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は継続して高水準で推移しています。
直近1年間では、おおむね1.6倍から1.8倍の間で推移しており、企業が求めるエンジニアを確保することが極めて難しい状況が続いています。

▲参考:厚生労働省
有効求人倍率が高い状態が続くことは、企業が求めるエンジニアを確保することが極めて難しい状況であることを示唆しています。国内ITサービス市場の成長に供給が追い付かず、エンジニア不足はさらに深刻化しているといえるでしょう。
SESの概要と活用するうえでの留意点
エンジニア採用が困難な状況において、必要な技術力やリソースを外部から確保する手段として、SES(System Engineering Service)の活用を検討する企業が増えています。
しかし、SESは便利なサービスである一方で、その契約形態や業界構造に起因する問題点も指摘されており、初めて利用する際には留意が必要です。
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SESの基本構造と派遣事業との違い
SESとは、クライアント企業のシステム開発や運用などのプロジェクトに対し、自社のエンジニアの技術力や労働力を提供するサービスです。
多くの場合、エンジニアはクライアント企業のオフィスに常駐して業務を行います。
契約形態としては、成果物の納品ではなく業務遂行を目的とした「準委任契約」が一般的です。
しばしば混同されやすい労働者派遣事業との最大の違いは、「指揮命令権の所在」にあります。
派遣の場合、業務の指揮命令権は派遣先の企業にありますが、SESにおいては原則としてSES企業側に指揮命令権があります。
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急増するSES企業とその背景
国内には現在10,000社以上のSES企業があると言われており、SES企業が急増した背景には大きく2つの要因が考えられます。
一つは、2015年9月の労働者派遣法の改正により特定労働者派遣事業が廃止されたことです。
従来、常用雇用労働者のみを派遣する特定派遣事業は届出制でしたが、法改正によりすべての労働者派遣事業が許可制に一本化され、より厳格なコンプライアンス体制が求められるようになりました。この法改正を機に、特定派遣事業を行っていた企業の一部が、事業形態を見直す過程でSESへと移行したことが、SES企業が増加した一因とされています。
二つ目は、設備投資や開発環境といった初期コストを抑えて参入できるビジネスモデルであることから、比較的少ない資本でも事業を始められる点です。これにより、多様なスキルや専門性を持つ新規企業の参入が活発になっています。
多重請負構造が引き起こす問題とは
SESの契約形態には、元請け企業から複数の企業を経て業務が再委託される「多重下請け構造」が見られることがあります。その結果、商流の末端に位置する企業のエンジニアが、お客様の現場で開発を担当するケースも少なくありません。
このような構造は、発注者にとっても留意すべき点を内包しています。
一つは、関係する企業が増えることで、指揮命令系統や責任の範囲が分かりにくくなる可能性がある点です。これにより、課題発生時の迅速な対応が難しくなるケースも考えられます。
もう一つは、コストの透明性です。介在する企業が増えるほど中間マージンが積み重なり、お客様が支払う費用と、現場で活躍するエンジニアのスキルや経験への対価との間に乖離が生まれる可能性があります。これは、エンジニアのモチベーションにも影響を与えかねない、重要なポイントです。
優良SESの見分け方8選
SES企業は数多く存在し、それぞれに得意な領域や企業文化、サポート体制が異なります。
そのため、自社のプロジェクトを成功させるためには、数ある選択肢の中から、信頼できるパートナーをいかに見極めるかが重要です。
ここでは、数多くの開発現場を支援してきた実績をもとに、自社に最適なSES企業を見つけるための具体的な判断基準を8つご紹介します。
①ニーズを正確に把握するヒアリング力があるか
自社にとって良いパートナーとなるSES企業は、単に「どんな技術者が何人必要か」といった表面的な情報だけでなく、プロジェクトの背景、抱えている事業課題、さらには将来的な展望まで深くヒアリングする傾向にあります。
また、必要なスキルセットに加えて、既存チームの文化や開発体制との相性についても丁寧に確認を行います。このようにクライアントの状況や真のニーズを正確に把握しようとする姿勢は、ミスマッチを防ぎ最適なエンジニアを提案するうえで欠かせません。
②業務内容に合ったエンジニアを提案できるか
詳細なヒアリングをもとにニーズを正確に把握し、課題解決やプロジェクト推進に必要なエンジニアのスキルや経験について具体的に説明できること。それが、信頼できる企業を見極めるうえで欠かせないポイントです。
単に経歴を提示するだけでなく、なぜそのエンジニアが自社の求める業務内容に適しているのか、どのような貢献が期待できるのかを論理的に提案できる企業は、自社のビジネスを深く理解していると言えるため、信頼に値するでしょう。
③スキルレベルの高いエンジニアを提案できるか
提案されるエンジニアのスキルレベルを客観的に判断できる情報を提供しているかを確認しましょう。保有資格や過去のプロジェクトでの具体的な実績などから、スキルの高さを推し量ることができます。
さらに、SES企業自体が自社のエンジニアに対して最新技術の習得を目的とした研修や資格取得支援など、継続的な教育制度を整備しているかどうかも重要です。
④選定プロセスが透明で納得できるか
SES企業が候補エンジニアをどの基準で、どのようなプロセスを経て選定したのかが明確であることは、信頼できるパートナーを見極めるうえで重要な判断材料となります。
具体的には、提案されるエンジニアのスキルシート(経歴書)の内容が詳細で、過去の参画プロジェクトにおける具体的な役割や実績が分かりやすく記載されているかを確認することです。
また、候補エンジニアとの面談で、技術的な質問やチームとの相性に関する問いに対して誠実かつ的確に回答できるかどうかも、選定プロセスの透明性を高めるうえで欠かせません。
SES企業が選定したエンジニアの実力や人物像を、面談を通じてクライアント企業が確認できるプロセスは後々のミスマッチを防ぎ、安心してパートナーシップを築くために重要です。
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⑤稼働後のフォロー体制が整っているか
エンジニアの稼働開始後、SES企業からの適切なフォローがあるかどうかも安心して契約を継続できるかの鍵となります。
良いパートナー企業は、営業担当者などが定期的に現場を訪問したり、クライアント企業側の担当者や参画エンジニアと面談を行ったりして、状況確認や潜在的な問題の早期発見に努めてくれるでしょう。
また、勤怠管理や業務報告の仕組みがしっかりしており、エンジニアの稼働状況や進捗状況を安心して把握できる体制が整っているかも確認すべき点です。稼働後の手厚いフォローは、プロジェクトの円滑な進行にも貢献します。
⑥十分な実績があるか
SES企業の信頼性を判断するうえで、これまでの支援実績は重要な指標の一つです。
特に、自社と同じ業界での開発経験や検討しているプロジェクトと類似した開発言語、フレームワーク、開発手法などでの実績が豊富にある企業は、その分野に関するノウハウや該当するスキルをもったエンジニアを多く抱えている可能性が高いでしょう。
過去の実績を確認することで、プロジェクトを成功に導くための知見や経験を有しているかを見極めることができます。
⑦対応スピードや説明の丁寧さに安心感があるか
SES企業とのやり取りにおいて、問い合わせや依頼に対するレスポンスの速さはその企業の信頼性やビジネスへの真剣度を測る指標の一つです。迅速な対応はプロジェクトの進行をスムーズにするだけでなく、予期せぬ問題が発生した際の安心感にも繋がります。
また、技術的な説明や契約に関する説明が分かりやすく丁寧であるかどうかも重要です。
不明点がないようにしっかりと説明してくれる企業は、その後のコミュニケーションも円滑に進む可能性が高いといえるでしょう。
⑧SES企業の口コミを確認する
SES企業の公式サイトや提案資料だけでは分からない、実際の利用者の声も参考になります。
企業の比較サイトや口コミサイトなどで、実際にそのSES企業を利用した他の企業からの評価や体験談を確認してみましょう。
サービスの質・エンジニアのスキル・営業担当者の対応・契約後のフォロー体制などについて、良い評価も悪い評価も含めて参考にすることでより多角的に企業を評価することができます。
ただし、口コミ情報はあくまで個人の感想であり全てが事実とは限らない点に留意が必要です。複数の情報源を参考に、総合的に判断することが賢明です。
非優良SES企業の特徴
前章では、自社に合った信頼できるSES企業を見極めるための基準をご紹介しました。本章では逆に、契約後にミスマッチが起こりやすい企業の特徴を、注意点として解説します。
あらかじめリスクとなり得るポイントを把握しておくことは、自社に最適なパートナーを見つける上で有効です。
再委託に関する規定がない
SESの契約形態において、提供されるエンジニアがSES企業の直接の雇用ではない場合や、さらに別の協力会社から提供される場合があります(再委託、多重請負)。
契約書において、こうした再委託に関する規定が曖昧であったり、制限や明示が一切されていなかったりするSES企業は注意が必要です。
階層が深くなるほど本来把握すべきエンジニアの状況が見えづらくなったり、問題発生時の責任の所在が不明確になったりするリスクが高まります。
単価に対してエンジニアの経歴がハイレベルすぎる
提案されたエンジニアのスキルシート上の経歴やスキルが、提示された単価に対してあまりにハイレベルである場合、注意深く確認する必要があります。
場合によっては、スキルシートの内容が必要以上に誇張されていたり、実際に参画するエンジニアがスキルシートに記載された人物と異なる代替者であったりするケースも残念ながら存在します。
エンジニアの詳細な情報や、なぜその単価でそのスキルを持つエンジニアが提案可能なのかといった点が不透明な場合は、契約前にしっかりと確認を行いましょう。
トラブル時の対応が曖昧・後手になる
稼働開始後に予期せぬトラブルや問題が発生した場合の対応力は、SES企業の信頼性を測る重要な指標です。
問題が発生した際にSES企業の担当者とすぐに連絡が取れない、状況報告が遅い、あるいは問題解決に向けた具体的な対応が一向に進まないといった企業は、パートナーとして安心して任せることが難しいでしょう。
そのため、契約前にトラブル発生時の報告フローや対応体制について確認しておくことが重要です。
実績や契約内容に不透明な点が多い
SES企業のWebサイトや提案資料に記載されている実績が抽象的で、具体的なプロジェクト内容や貢献度が不明確な場合、その企業の実際の能力を判断しづらくなります。
また、契約内容(特に料金体系)が複雑で分かりにくかったり、月額料金に含まれるサービス範囲や追加費用が発生する条件などが不明確であったりする場合も注意が必要です。
不透明な点が多い企業との契約は後々予期せぬ請求が発生したり、認識のずれからトラブルに発展したりするリスクを高める可能性があります。
信頼できるパートナーをお探しなら、ラクスパートナーズへご相談ください
本記事では、SESの仕組みから優良なパートナーの見極め方、注意すべき企業の特徴までを解説しました。多様な選択肢の中から自社のプロジェクトに最適なパートナーを見つけ出すことは、ビジネスを成功に導くための第一歩です。
もし、貴社のプロジェクトを共に推進するITパートナーをお探しでしたら、ぜひラクスパートナーズにご相談ください。
弊社の最大の強みは、お客様と直接契約を結ぶ「完全一次請け」の体制で、かつ所属エンジニアはすべて「正社員」であることです。これにより、本記事で解説したような多重下請け構造に起因するコミュニケーションの齟齬やコストの不透明性を排除し、お客様に安心してご依頼いただける透明性の高いサービスを提供しています。
また、ご提案するエンジニアは、厳しい採用基準(採用率3%)をクリアし、入社後も継続的な研修でスキルアップを図るプロフェッショナル人材です。高い技術力はもちろん、お客様の課題を的確に捉えるビジネススキルも兼ね備えており、貴社のプロジェクトに長期的な視点で貢献します。
「どのようなエンジニアを提案してもらえるか知りたい」「まずは情報収集から始めたい」といった段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
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