「今の仕事がAIに奪われるのではないか?」
「AIによって仕事がなくなる前に転職した方がいいのでは?」
こう感じている人は多いでしょう。
この不安の背景には、英オックスフォード大学の研究で「20年後には約半分の仕事がなくなる」という試算が示されたことがあります。
しかし、日本の社会構造を見ると、AIは単に仕事を奪う存在ではありません。シンクタンクであるパーソル総合研究所によると、2030年までに「644万人の労働力不足」が予測されています。AIはむしろこの課題を解決する『労働力の穴埋め』として導入が進んでいます。
企業がAIを導入するのは、人をクビにするためではなく、生産性の補強が目的であり、『AIが奪う』よりも『AIを使える人が採用される』時代に突入しています。
ラクスパートナーズが実施した現役エンジニア約1,000名を対象とした調査レポートによると、「今後求められるスキル」として『生成AI活用力』を最重要視していることが判明しました。

参考「株式会社ラクスパートナーズ:仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは」
そこで本記事では、キャリアに不安を抱える人に向けて
・AIができること
・AIによって奪われる仕事と奪われない仕事
・AIに仕事を奪われない方法・対策
これらについて解説しています。
将来性のある仕事に就きたい方は参考にしてください。
目次
まずはAIができることを理解しよう
AIによって奪われる仕事・奪われない仕事を理解する前に「AIは何ができるのか」を知っていきましょう。
それによって、今後さまざまな仕事がどう変化するのか予測できます。
AIを簡単にいうと「人工知能」のことで、AIができることは以下の通りです。
・画像や音声の認識
・最適な動作の選択
・自動的に学習し、将来を予測する
つまり、以下の要素を持った仕事は奪われる可能性が高いと考えられます。
・ルーティン作業
・知識さえあればできる作業
・スピードが重視される作業
このようにAIができることを考えると、自然とAIに奪われる仕事・奪われない仕事の判別ができるのではないでしょうか。
中でも、AIが特に注目を集めた要因は「自動的に学習する」という点です。
ビッグデータをAIにインプットさせると、自らデータの特徴を分析し、それに合わせた動きをします。
ビッグデータを取り入れることができるようになったのは、インターネットの影響が大きいでしょう。
身近な機械学習の例を紹介すると、YouTubeを視聴している際、同じ画面に「関連動画」が出てくるかと思います。
この仕組みは、あなたが普段観ている動画をAIが分析します。分析結果をもとに「今までの傾向からすると、おそらくこの動画も好みだろう」とAIが判断し、おすすめとして表示しているのです。
AIによって奪われる仕事
先述の通り、AIに奪われる仕事は以下3つの要素を持った仕事です。
・ルーティン作業
・知識さえあればできる作業
・スピードが重視される作業
以下、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
ルーティン作業
最も代替されやすいのは、ルーティン作業です。
単純業務であれば、人はAIの正確性に敵いません。
実際、乳がんの転移状況をレントゲンから発見する作業において「医師よりもAIの方が精度が高い」という報告もあるほどです。
あなたも普段やっている仕事の中で、単純業務はありませんか?
・何かを決められたルールに沿ってチェックする作業
・項目ごとにデータを集計する作業
・テンプレートに沿ったメール送信
このような単純業務は、AIに奪われる仕事といえるでしょう。
知識さえあればできる仕事
知識をインプットする記憶力においても、AIに分があるでしょう。
例えば、私たちは分からないことをネットの検索エンジンを使って調べますが、大抵の知りたい情報は入手できます。
人の脳にあれだけの情報量を記憶するのは、まず不可能です。
また記憶の定着率においても、AIは強いです。
あなたも、人とした約束をつい忘れてしまったことはありませんか?
人であればつい忘れてしまうようなことでも、AIは1度インプットすれば忘れません。
このように、記憶力においてもAIの方が勝っているため、知識さえあればできる仕事はAIに奪われる可能性が高いでしょう。
スピードが重視される仕事
物事や情報の処理速度においても、人はAIに勝てません。
例えば、東京大学が行った「AIと人間の計算スピードを比較した調査」があります。
この結果によると、計算スピードに約6万倍もの差があると分かりました。
このように、スピードが重視される仕事はAIの方が圧倒的に速いため、奪われる可能性が高いでしょう。
参考「大学ジャーナルONLINE:簡易人工知能で計算速度6万倍に、界面構造の予測に成功 東京大学」
「AIに仕事を奪われる」可能性が高い具体的な仕事リスト
これまで解説したポイントを踏まえて、AIによって奪われる具体的な仕事を紹介します。
なくなっている可能性が高いといわれるのは、以下の仕事です。
・士業(会計士・税理士・司法書士・行政書士・社労士など)
・金融系の営業職
・銀行員
・薬剤師
・受付
・データ入力や管理
・経理
・電話オペレーター
・スーパーやコンビニの店員
・警備員
・タクシードライバー
これらは定型的な知識処理や比較的単純な処理がAIに代替されやすいなど、上記で紹介した3つの特徴のうち、どれかに該当する職業といえるでしょう。
AIに奪われにくい仕事
奪われる仕事がある一方で、AIに奪われにくい仕事も存在します。
そのポイントは以下の2つです。
・人の感情が関わる仕事
・AIを活用する側の仕事
AIとしてどれだけ優れていても、人に敵わないところもあるのです。
詳しくは以下で解説していきます。
人の感情が関わる仕事
人の感情を汲み取ることは、AIには困難です。
・人の気持ちに寄り添った対応をする
・相手の発している言葉から感情を読み取る
・倫理的に考える
これらは、人間にしかできないことでしょう。
人の感情が関わる仕事とは、以下のような職業です。
・医師や看護師(患者の気持ちに寄り添う必要がある)
・弁護士・検察官・裁判官(問題はパターン化できても、人の感情までは読み取れない)
・教員(子どもの感情を汲み取りながら関わる必要がある)
よって、人の感情と密接に関わる仕事ほど、AIに奪われる可能性は低いでしょう。
AIを活用する側の仕事
AIに仕事を奪われないもう1つのポイントは「AIを活用する側の仕事」です。
これらはAIと共存する仕事のため、AIが進歩してもなくなりません。
具体的にはAIエンジニアやデータサイエンティストなどが該当します。比較的最近誕生した仕事です。
またこれから先、新しく生まれる仕事もたくさんあるでしょう。
世の中には「AIに多くの仕事を奪われて、失業者が増えるのではないか」という意見もあります。
しかし、なくなる仕事があるのと同時に、新しい仕事も次々と生み出されるため、そこまで悲観的に考える必要はないでしょう。
大事なのは「世の中の変化に適応する力」を備えることです。
関連記事はこちら
未経験からAIエンジニアになるには?仕事内容・必要なスキル・勉強法を徹底解説
→AIエンジニアの4職種(機械学習エンジニア、データサイエンティスト、データアナリスト、データエンジニア)について解説しています。
「AIに仕事を奪われない」ために目指すべき具体的な仕事リスト
これまで解説したポイントを踏まえて、AIに奪われにくい具体的な仕事は以下の通りです。
・AIの技術開発者・研究者
・データサイエンティスト
・IT系の営業職
・クリエイター
・アーティスト
・医師や看護師
・弁護士・検察官・裁判官
・教員
・コンサルタント
どれも上記2つのポイントのうち、どちらかを押さえた職業といえるでしょう。
ラクスパートナーズには、未経験からAIの技術開発者や
データサイエンティストになれる仕組みがあります。
将来の不安を解消する第一歩として、まずは話を聞いてみませんか?
AIに仕事を奪われない方法・対策
では実際に、AIに仕事を奪われないためにはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは、AIに仕事を奪われない方法を3ステップで解説します。
STEP1:AIの得意分野を理解する
STEP2:AIに関する知識・技術を身につける
STEP3:AIを取り扱う企業に就職する
以下、それぞれの詳細を解説していきます。
STEP1:AIの得意分野を理解する
こちらは、本記事でこれまで解説してきた内容です。
AIの得意分野を理解すれば「AIの得意なこと」と「人間の得意なこと・人間にしかできないこと」が判別できます。
すると、自然とAIに奪われない仕事選びができるでしょう。
1度読んだだけでは理解できない箇所もあると思いますので、しっかりと理解できるまで、何度も本記事を読み返してください。
STEP2:AIを活用することに関する知識・スキルを身につける
AI・人間それぞれの得意分野を理解できたら、次はAIに関する知識・スキルを身につけることをおすすめします。
というのも、先ほど紹介した「AIに奪われにくい具体的な仕事」の中でIT系以外の職業は、専門的な資格が必要だったり大学の専門学部を卒業していないとなれないものが多いからです。
そのため、現在突出した専門性を持ち合わせていない人は、AIなどITに関する学びを視野に入れてみてください。
AI分野に必須のスキルは、特にPython(プログラミング言語)と機械学習・深層学習のアルゴリズム(数学的知識含む)です。
STEP3:AIを取り扱う企業に就職する
学びを深めたり自分の市場価値を上げるには、実務経験を積むのが1番です。
せっかくAIに関する知識やスキルを学んでも実務経験がないと、本当の意味で学びが活かせません。実務経験が積める就職先を探しましょう。
まとめ
以上、本記事ではAIに奪われる仕事・奪われない仕事について解説しました。
本記事を最後まで読んでくださったあなたは、今後「AIに奪われない仕事をしたい」と思っているのではないでしょうか?
日本は将来的に人口が減少していくこともあり、労働力を補う意味でもAI分野の需要が伸びています。
未経験からAI分野に挑戦するハードルは高いですが、興味のある人にとっては楽しく勉強できますし、未経験からでも就職できる企業はあるので積極的に挑戦してみましょう。
弊社ラクスパートナーズもその1社です。未経験の方が独自の3ヶ月集中研修で、統計やPython、機械学習ライブラリなどの実践スキルを学び、即戦力のエンジニアとしてキャリアを築けるようになります。
市場価値の高いエンジニアとして活躍したいという方は、
「自分にAIエンジニアの適性があるか知りたい」
「具体的なキャリアパスについて相談したい」といったお悩みも含め、
ぜひ一度、ラクスパートナーズの会社説明会にご参加ください。