エンジニア採用に取り組む企業の多くが直面しているのが、「せっかく採用してもすぐ辞めてしまう」という課題です。エンジニア不足が叫ばれる中、採用難と定着の難しさは表裏一体。「エンジニア 離職率」というキーワードに強くうなずく採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
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【自社開発企業・SIer勤務のITエンジニア採用担当者に聞く採用の実態】6割以上の方が採用目標未達
【目次】
エンジニアの離職率はなぜ高いのか?
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査」によれば、情報通信業の年間離職率は9.1%で全産業平均(13.9%)よりは低めですが、これはあくまで業界全体の平均値です。実際には従業員規模30人未満の中小企業では離職率が約19%に達しており、とりわけ若手エンジニアの流動性が高いことがわかっています(厚生労働省「令和4年雇用動向調査」)。
また、経済産業省の試算では、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予測されています。IT業界においては、そもそも人材確保が難しく、さらに「確保しても定着しない」という二重の課題を抱えているのです。(経済産業省「IT人材需給に関する調査)
採用してもすぐ辞める…よくある離職の理由
2017年の経済産業省の調査によると、エンジニアが転職時に重視することの上位5つは以下のようになっています(経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」)。
- 1位:給与・報酬
- 2位:仕事のやりがい・面白さ
- 3位:ワークライフバランス
- 4位:自分のやりたいことができるかどうか
- 5位:企業の雰囲気・人間関係
これにより、エンジニアの離職が多い理由には、次のような背景があると考えられます。
- スキルミスマッチと評価の難しさ
履歴書や面接だけでは実力やチーム適応性が見えづらく、ミスマッチが起こりやすくなります。「思っていた仕事内容と違った」「チームの文化になじめない」といったミスマッチが生じ、早期離職につながるケースもあります。 - 業務内容や待遇のギャップ
入社前に聞いていた話と、実際の仕事内容や労働環境、報酬に差がある場合も離職理由になりがちです。とくにエンジニア職では、アサインされるプロジェクト内容や使用する技術、勤務スタイル(リモート可否など)に対する期待が強いため、ギャップが早期離職を招く原因になります。 - キャリアビジョンの不透明さ
成長機会がない、何年後も同じ業務が続きそうと感じてしまうエンジニアもいます。「このまま社内で働き続けた先に何があるのかが見えない」と感じたとき、将来に不安を抱えて転職を考える若手エンジニアは多く見られます。
こうした離職要因は、いわば「構造的なもの」です。エンジニアという職種は、最新技術を学びながらキャリアアップを図る性質が強く、定着よりも転職が一般化している職種文化も影響しています。
また、開発現場ではプロジェクトごとの負荷が高まりがちで、属人化や燃え尽き症候群も発生しやすい傾向にあります。特にリーダーポジションにあるエンジニアが退職した場合、ナレッジの喪失や引き継ぎの不備から、チーム全体のパフォーマンスが大きく低下することもあります。
優秀なエンジニアを採用・定着させる3つのポイント
では、どうすればエンジニアを長く活躍できる形で確保できるのでしょうか。採用と定着を両立するためのポイントを3つに整理してご紹介します。
- ① 採用要件と人物像を明確にする
現場のニーズに合ったスキルセットと文化的な適合性の両面から、採用要件を明確化。必要であれば技術部門と連携し、面接フローにもエンジニアを巻き込みましょう。 - ② 入社後のオンボーディングとサポート体制を整える
初期教育や業務のキャッチアップ期間を十分に取り、1on1やメンタリング制度でフォローアップ。心理的安全性が確保された環境が早期離職防止につながります。 - ③ キャリアパスを明示し、成長機会を提供する
技術研修、資格支援、スキルマップなどを通じて、成長実感が得られる環境を整備。「この会社で成長できる」と思ってもらうことが定着の鍵です。
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人事が知っておきたいエンジニア採用の事前準備と採用の流れ
優秀なエンジニアの定着は可能なのか?
もちろん、定着のための工夫は有効です。たとえば、
- 評価制度の透明化・スキルアップ支援
- フレックス・リモートワーク・副業制度の導入
- エンジニアとの定期的な1on1・フィードバック文化の浸透
これらに加えて、心理的安全性を高める組織風土づくりも大切です。失敗を責めない文化、相互に学び合う雰囲気、個々の挑戦を歓迎する制度など、目に見えにくい「働きやすさ」がエンジニアの心をつかむ鍵になります。
また、キャリア支援の具体性も重要です。単に「将来リーダーになれます」ではなく、「この資格を取ればこの業務にステップアップできる」「このスキルで社内表彰制度がある」といった仕組みがあることで、モチベーションの継続につながります。
解決策のひとつ:エンジニアの外部委託という選択肢
それでも「採用・定着」に限界を感じる場合、注目したいのがエンジニアの業務委託・外部パートナーの活用です。自社の採用・育成にこだわるだけでなく、必要なタイミングで必要なスキルセットを持つエンジニアをチームとしてアサインするというアプローチです。
外部委託には以下のようなメリットがあります:
- 採用・教育コストの削減
- 短期間で即戦力を確保できる
- 固定人件費のリスクを抑えられる
- 属人化を防ぎ、継続的なプロジェクト支援が可能
とくにスタートアップや成長フェーズにある企業にとって、社内に全てのリソースを抱えるのは現実的ではありません。技術力やスピード感のある開発体制を維持するには、柔軟に外部人材を活用しながらプロジェクトを前進させる体制が求められます。
ラクスパートナーズのエンジニア派遣事例
ここでは、株式会社ラクスパートナーズのエンジニアの参画事例を一部ご紹介します。
派遣先企業
モビリティサービス運営企業様
背景・課題
複数の開発プロジェクトが並行して進行しており、エンジニアのリソースが不足。それぞれのプロジェクトが期日に対して厳密なため、自分でスケジュールを管理し、コミュニケーションを取りながらゴールに向かえる人材で、Vue.jsに対応でき、一人称で進めてくれるエンジニアを探していた。
案件内容
フロントエンド開発のエンジニアとして参画し、トップページや製品ラインナップ、ユーザへの訴求コンテンツ全体を担当。デザイン、コーディングのルールが複雑な仕様となっていたため、技術選定の見直しを機に、Vue+NuxtからReact+Next.jsへのマイグレーション作業を実施。製品ラインナップが多種多様な大規模サイトの実装から開発・運用まで期日を守りながら進行。
使用技術・言語
◎開発言語:JavaScript, TypeScript(React.js, Vue.js, Node.jsなど)
◎フレームワーク:Next.js, Nuxt.js, SvelteKit
◎ツール:VS Code, Github, JIRA, Confluence, Slack, Zoom, Teams,
Adobe XD, Figmaなど
株式会社ラクスパートナーズのエンジニア参画事例はこちら!
まとめ:離職率に悩むなら、選択肢を広げよう
エンジニアの離職率をゼロにするのは難しいかもしれません。しかし、それを前提にした体制設計なら可能です。採用だけに頼らず、外部パートナーの活用という選択肢を持つことで、採用負荷・教育コスト・リスクを分散できます。
「定着させる」ことに限界を感じたら、柔軟な外部活用もぜひ検討してみてください。
エンジニアにとって働きやすく、企業にとっても無理のない開発体制の構築が、これからの時代には求められます。
ラクスパートナーズでは、自社で採用・育成した優秀なエンジニアを派遣しています。貴社の悩みに寄り添い、最適な人員確保のご提案・ご紹介をいたします。
まずはぜひ、気軽にお問い合わせください。
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